小学校受験を控えた親御さんの中には、「左利きだとお行儀が悪く見えないか」「鉛筆やハサミは今から右手に直すべきか」と悩む方が少なくありません。昔ほどではないものの、いまだに「左利きは矯正すべき」と考える家庭もあります。しかし、無理に矯正するとお子さんに大きなストレスがかかり、ペーパー試験での苦手意識を生むリスクも高まります。
ここでは、私立小学校が左利きの子どもをどのように見ているのか、その実態をお伝えするとともに、受験当日に親御さんができる座席配置の工夫についても詳しく解説します。お受験ラボ編集部の私が、経験を踏まえてわかりやすくお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
学校側の本音:「左利き」は減点対象になるのか?
結論から申し上げると、ほとんどの私立小学校では左利きが減点対象になることはありません。慶應幼稚舎や早稲田実業など、多くの学校で左利きの子どもが合格しています。学校が重視しているのは「右手を使っているかどうか」ではなく、道具を正しく、器用に扱えているかどうかです。
左手でもお箸を美しく持ち、ハサミで線をきれいに切れるなら、それは個性として認められます。ただし、伝統的な一部の女子校や書道を重視する学校では、右手使用が望ましいという雰囲気が残っている場合もあります。気になる場合は説明会などで事前に確認しておくと安心です。
無理に矯正しないほうがよい理由
年長の時期に慌てて右手に変えようとすると、以下のような弊害が起こりやすくなります。
- 思考の混乱:「どちらの手で書くのか」と気にしすぎて、問題の内容に集中できなくなる。
- 作業スピードの低下:利き手でない手で書いたり塗ったりすると時間がかかり、制限時間内に終わらないことがある。
- 自己肯定感の低下:「自分はダメだ」と感じて自信を失う可能性がある。
現在左手が定着しているなら、無理に右手に変えず、左手の技術を磨くほうが合格率は高まります。お子さんの個性を尊重しながら、得意な手でしっかり練習を積むことが大切です。
左利きの子が気をつけたい技術的なポイント
左利きにはペーパーテスト特有の課題があります。これらを克服するための練習が必要です。
- 手で問題やマスが隠れる:日本語は左から右に書くため、左手で書くとこれから書くマスや問題文が手で隠れてしまうことがあります。
👉 対策:手首を巻き込むような持ち方(フック持ち)を直すか、紙の位置を調整する練習をしましょう。 - ハサミの使いづらさ:右利き用のハサミを左手で使うと刃の噛み合わせが悪く、紙が切りにくいです。
👉 対策:必ず左利き用のハサミを用意し、受験当日も自分の道具を使える学校が多いので持参しましょう。
願書や面接での座席配置の工夫
集団テストの際、左利きの子が左端の席に座ると、隣の右利きの子と肘がぶつかるトラブルが起きやすくなります。学校側も配慮してくれることが多いですが、親としてできる対策もあります。
願書の備考欄に「左利きのため、端の席だとありがたいです」とさりげなく記入したり、面接時に伝えたりすることで配慮をお願いしやすくなります。こうした細かな配慮が、子どもが試験に集中できる環境づくりにつながります。


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