お受験ラボ編集部です。小学校受験を控えたご家庭からよく聞かれるのが、「志望校の近くに引っ越すことで合格に有利になるのか」「国立小学校の出願可能エリアに住民票だけ移すのは問題ないのか」といった疑問です。住所の所在は合否や出願資格に大きく関わることもあり、引越しは大きな決断です。しかし、不動産の問題も絡み、誤解や都市伝説も多いため、慎重に判断する必要があります。この記事では、戦略的な転居のポイントと、絶対に避けるべき住民票のずらし方について詳しく解説します。
学校の近くに住むことは本当に合格に有利なのか?
私立小学校の中には、住所が合否に影響する学校と、そうでない学校があります。まずはそれぞれのケースを整理しましょう。
住所が有利に働く場合
- 災害対策を重視する学校:徒歩や親の迎えで無理なく帰宅できる範囲を重視する傾向があります。
- 通学時間に厳しい制限がある学校:「ドアtoドアで40分以内」など明確な時間制限がある場合、遠方からの出願は不利になることがあります。
住所が合否に影響しにくい場合
多くの学校では、通学時間が60分から90分以内であれば、合否に大きな影響はありません。近くに引っ越したことをアピールしても、それだけで合格が有利になるわけではないのが現実です。ですから、引越しを検討する際は、学校の通学条件や方針をしっかり確認することが大切です。
国立小学校受験での引越し戦略とは?
筑波大学附属やお茶の水女子大学附属、東京学芸大学附属などの国立小学校は、厳格な通学区域(出願可能エリア)が定められています。そのため、出願時点でそのエリアに実際に住んでいることが必須です。一次抽選の結果を待ってから引越すのでは間に合いません。
国立小学校を本気で狙う場合、年中の終わり頃には文京区など国立小が密集するエリアへ引越す家庭が多いです。これにより複数の国立小への出願資格を確保できるため、戦略的な転居として有効です。ただし、引越しのタイミングや場所は慎重に検討し、無理のない計画を立てることが重要です。
絶対に避けたい「住民票ずらし」と「寄留」のリスク
「実家が学区内だから住民票だけ移しておこう」と考える方もいますが、これは公正証書原本不実記載等の犯罪リスクがあり、学校側も厳しく調査しています。
実態調査の可能性
合格後に学校が「本当にその住所に住んでいるか」を確認するため、公共料金の領収書提出や抜き打ちの家庭訪問が行われることがあります。こうした調査により、住民票だけの移動が発覚するケースも少なくありません。
発覚した場合の厳しい処分
もし不正が発覚すると、入学取り消しはもちろん、子どもの将来に影響が及ぶだけでなく、紹介者や出身幼稚園にも迷惑がかかります。こうしたリスクを考えると、住民票のずらしや寄留は絶対に避けるべき行為です。正しい方法で戦略を立て、安心して受験に臨みましょう。
引越しは大きな決断ですが、志望校の通学条件や出願資格をしっかり理解したうえで、戦略的に行うことが合格への近道です。住民票のずらしなどの不正はリスクが大きいため、正攻法で準備を進めることをおすすめします。


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