個別指導の使い方の要点
- 個別指導は「弱点を補う場所」。目的を一つに絞り、期間を決めて使う
- 先生と1対1の個別テストがある学校(青山学院など)では、受け答えの練習に役立つ
- 「特別な準備は不要」「通塾を勧めない」と公式に説明する学校もある
小学校受験の個別指導は、すべての分野を任せるより、特定の苦手の克服や志望校に合わせた対策など、目的を絞って短期間使うのが効果的です。集団の幼児教室や家庭学習を中心にし、個別指導は「弱点を補う場所」と位置づけると、費用と時間を抑えながら成果につなげやすくなります。
また、志望校の考査の形によって、個別指導が向く・向かないもはっきり分かれます。先生と1対1で答える「個別テスト」がある学校もあれば、集団での行動観察や制作が中心の学校、「特別な準備は必要ない」と公式に説明している学校もあります。この記事では、各校の公式情報をもとに考査の形と個別指導の相性を整理し、検討したいサイン、上手な使い方、費用の考え方をまとめました。
集団授業と個別指導の役割
| 集団授業(幼児教室) | 個別指導 | |
|---|---|---|
| 役割 | 準備の中心。幅広い分野を順に学ぶ | 苦手の克服、志望校に合わせた対策 |
| 強み | 行動観察など集団での経験、周りから受ける刺激 | 一人ひとりのつまずきに合わせて教えられる |
| 注意点 | 一人ひとりの苦手には手が回りにくい | 集団での経験は積めない。1回あたりの費用が高い |
志望校の考査の形と個別指導の相性
個別指導が役立つかどうかは、志望校がどんな形で考査を行うかで変わります。公式に示されている考査の形を見てみましょう。
| 考査の形 | 学校の例(公式の説明) | 個別指導との相性 |
|---|---|---|
| 先生と1対1の個別テストがある | 青山学院初等部(個別テスト・集団行動観察・保護者面接の3領域)、学習院初等科(「かんたんな考査」。受験情報では個別テスト中心と言われる) | 相性がよい。大人と1対1で話す、口頭で答える練習に向く |
| 集団での行動観察・制作が中心 | 桐朋学園小学校(「言語・作業・行動など総合的なもの」)、慶應義塾幼稚舎(受験情報では絵画制作・運動・行動観察) | 補助的。集団での経験は教室や講習で積む必要がある |
| ペーパーと行動観察 | 東京農業大学稲花小学校(ペーパーの観点は記憶・推理・注意・知識・比較・思考等)、洗足学園小学校(学力検査・運動機能検査・行動観察) | ペーパーの特定の分野が苦手な場合に、短期間で使いやすい |
「特別な準備は不要」と説明している学校もある
学校の中には、受験準備について次のように公式に説明しているところもあります。
- 慶應義塾幼稚舎:「特別な準備は必要ありません。志願者のありのままの様子を知りたいと考えています」(入学試験Q&A)
- 白百合学園小学校:準備は「特にございません」。基本的な生活習慣、物事への取り組みが年齢にふさわしいかを見る(よくある質問)
- お茶の水女子大学附属小学校:詰め込み式の教育はしておらず、通塾を勧めていない(学校説明会Q&A)
- 青山学院初等部:家庭での生活や幼稚園・保育園の生活を大切に、親子のかかわりを持つことが望ましい(よくある質問)
こうした学校では、個別指導で「答え方の型」を身につけるより、ふだんの生活の中で育つ力を大切にしたほうが学校の考えに沿っています。個別指導を使う場合も、苦手の克服など目的を限定するのがよいでしょう。
個別指導を検討したいサイン
- 特定の分野だけ苦手(「図形の回転だけわからない」「お話の記憶だけ点がとれない」など)
- 集団のスピードについていけず、自信をなくしている
- 人見知りで、大人と1対1になると話せない(個別テストがある学校を受ける場合)
- 志望校の出題が特殊で、通っている教室の授業では対策が足りない
- 願書や面接の準備を、第三者と一緒に進めたい
上手な使い方
| ポイント | 具体例 |
|---|---|
| 目的を一つに絞る | 「図形の回転を理解する」「絵画を時間内に仕上げる」「先生の目を見て答えられるようにする」など |
| 期間を決める | 「4回で」「夏休みの間だけ」など、終わりを決めておく |
| 家庭で続けることを聞く | 個別指導のあとに、家庭で何を続ければよいかを確認する |
| 成果を確かめる | 模試や家庭学習で、改善したかを確かめてから続けるか決める |
| 集団の経験と組み合わせる | 行動観察や制作は、教室・講習・模試で集団の経験を補う |
「あと何回で、何ができるようになりますか」と聞いて、目安をはっきり答えてくれる先生を選ぶと安心です。長期の契約ばかりをすすめられる場合は、慎重に考えましょう。
費用の考え方
個別指導は、集団授業より1回あたりの費用が高くなります。料金は教室や講師によって大きく違うため、1回の時間、回数、教材費、入会金を含めた総額を事前に確かめましょう。
契約前に確かめたいこと
- 1回の時間と料金、必要な回数の見込み
- 入会金・教材費・振替のルール
- 途中でやめる場合の扱い(解約・返金の条件)
- 担当の先生が変わることがあるか
準備費用全体の目安は小学校受験の費用はいくら?平均の目安と内訳・家計管理と節約のポイントで紹介しています。
時期ごとの使い方の例
| 時期 | 個別指導の使い方の例 |
|---|---|
| 年中 | 基本は使わなくてよい。家庭での読み聞かせ・外遊び・お手伝いを優先 |
| 年長の春 | 模試や教室の授業で苦手な分野を見つけたら、短期間だけ使う |
| 年長の夏 | 苦手分野の集中対策。個別テストがある学校は、1対1での受け答えの練習 |
| 年長の秋 | 新しいことは増やさず、面接や願書の確認など必要なことに限る |
よくある不安
よくある質問
Q. 個別指導だけで受験準備はできますか?
できなくはありませんが、行動観察など集団での経験が不足しがちです。模試や講習で、ほかの子どもと一緒に取り組む機会を補いましょう。
Q. 家庭教師とどちらがいいですか?
教室に通うか、自宅に来てもらうかの違いが大きく、目的は似ています。家庭教師については小学校受験の家庭教師は必要?役立つ家庭・幼児教室との違い・選び方にまとめています。
Q. 個別テストがある学校は、個別指導が必要ですか?
必須ではありません。家庭で親以外の大人と話す機会を増やすことでも練習できます。人見知りが強い場合などに、短期間使うのはひとつの方法です。
Q. いつから始めればよいですか?
苦手がはっきりしてからで十分です。年長の春以降に、目的を決めて短期間使う家庭が多いです。
まとめ:目的・期間・志望校の考査の形で判断する
- 個別指導は「弱点を補う場所」。目的を一つに絞り、期間を決めて使う
- 個別テストがある学校(青山学院など)は、1対1の受け答えの練習に向く
- 集団の行動観察・制作が中心の学校は、教室・講習で集団の経験を
- 「特別な準備は不要」「通塾を勧めない」と公式に説明する学校もある
- 契約前に総額・解約条件・担当の先生を確認する
塾の選び方は小学校受験の塾の選び方|失敗しない4つのステップとチェックポイント、塾の必要性は小学受験に塾は必要?学校の公式の説明・メリットとデメリット・判断のチェックリストで詳しく取り上げています。
出典:青山学院初等部・学習院初等科・桐朋学園小学校・慶應義塾幼稚舎・東京農業大学稲花小学校・洗足学園小学校・白百合学園小学校・お茶の水女子大学附属小学校の公式サイト・募集要項・Q&A(2026年10月確認)。考査の具体的な内容の一部は受験情報によるもので、学校が公表しているものではありません。


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