小学受験(小学校受験)の問題は、ペーパーテストだけではありません。お話の記憶・数量・図形・言語・常識といったペーパーの問題に加え、行動観察・運動・制作・面接まで、子どもの「聞く・考える・伝える・生活する」力が総合的に見られます。どの問題も、毎日の暮らしの中で育てた力が土台になります。
小学校受験の問題は、小学校の勉強の先取りではありません。文字を書かずに丸や線で答える形式が中心で、年齢に応じて話を聞いて理解できるか、見たものを整理できるか、生活の中の物事を知っているかが問われます。
この記事では、小学校受験でよく出る問題の種類と、家庭でできる対策を分野ごとに紹介します。
小学校受験の問題の全体像
| 形式 | 主な内容 | 見られる力 |
|---|---|---|
| ペーパーテスト | お話の記憶、数量、図形、言語、常識、推理 | 聞く力、考える力、集中力 |
| 個別テスト | 先生と1対1での口頭の質問や課題 | 理解力、受け答え、落ち着き |
| 行動観察 | グループでのゲーム、共同作業、自由遊び | 協調性、ルールを守る力 |
| 運動 | かけっこ、ケンケン、模倣体操など | 指示を聞いて動く力、粘り強さ |
| 制作・絵画 | はさみ・のり・ひも結び、テーマに沿った絵 | 手先の器用さ、想像力、丁寧さ |
| 面接 | 子どもへの質問、保護者への質問 | 受け答え、家庭の教育方針 |
出題する分野の組み合わせは学校ごとに違います。たとえば慶應義塾幼稚舎はペーパーテストを行わず、学習院初等科もペーパーテストのない入試です。志望校の出題内容は、各校の記事や2027年度 首都圏私立小学校の入試日程・志願者数・倍率一覧から確認できます。
ペーパーテストでよく出る問題
| 分野 | 問題の例 | 家庭での練習 |
|---|---|---|
| お話の記憶 | 読まれたお話を聞いて、登場人物や出来事の順番を答える | 読み聞かせのあとに「誰が出てきた?」「次に何をした?」と話す |
| 数量 | 数を数える、多い・少ないを比べる、同じ数に分ける | お皿を並べる、おやつを分けるなど、実物で数える |
| 図形 | 同じ形を探す、欠けた部分を見つける、回転・重ね合わせ | 積み木、パズル、折り紙 |
| 言語 | しりとり、同じ音で始まる言葉、仲間の言葉 | 言葉遊び、その日の出来事を順番に話す |
| 常識 | 季節の花や行事、道具の使い方、マナー | 季節の行事を体験する、お手伝いで道具を使う |
| 推理・思考 | シーソーの重さ比べ、迷路、規則に合う絵を選ぶ | なぜそう思ったかを言葉で説明させる |
お話の記憶
先生が読むお話を一度だけ聞いて、誰が出てきたか、何をしたか、どんな順番だったかを答えます。多くの学校で出題される代表的な分野です。苦手な子は途中で集中が切れたり、自分の思い込みで答えたりしがちです。
数量
数を数える、増えたり減ったりした数を考える、多い・少ないを比べるといった問題です。計算の速さより、数の意味を実感として分かっているかが問われます。家族の人数分のお皿を並べる、おやつを分けるなど、生活の中で数に触れる経験が土台になります。
図形
同じ形を見つける、欠けた部分を考える、回したり重ねたりした形を想像する問題などが出ます。積み木やパズル、折り紙で手を動かしながら形に親しむと、頭の中で形を動かす力が育ちます。
言語・常識
しりとりや同じ音で始まる言葉探し、季節の行事や花、道具の使い方などが問われます。知識を詰め込むより、季節の行事を一緒に体験したり、お手伝いで道具を使ったりする方が、生きた知識として身につきます。
ペーパーの分野ごとの攻略法は小学校受験ペーパー試験対策で詳しく解説しています。
行動観察・運動・制作で見られること
行動観察では、初めて会う子どもたちの中で先生の話を聞けるか、ルールを守れるか、順番を待てるか、困ったときにどうするかが見られます。積極的な子が必ずしも有利なわけではなく、周りを見て落ち着いて動ける子、必要な場面で協力できる子が評価されやすい分野です。
運動では、かけっこやケンケンなどの基本的な動きに加えて、指示どおりに動けるか、最後まであきらめずに取り組めるかが見られます。制作では、はさみやのり、ひも結びなどの作業を、指示どおりに時間内に仕上げられるかがポイントです。
詳しくは小学校受験の行動観察とは?見られるポイントと家庭での練習法と小学校受験の運動テスト対策|よく出る種目と指示行動の練習・学校別の例で紹介しています。
面接で聞かれること
子どもへの質問は、名前、幼稚園(保育園)の名前、好きな遊び、最近楽しかったことなど、身近な内容が中心です。答えの内容より、質問を聞いて落ち着いて答えられるかが見られます。
保護者には、志望理由、家庭で大切にしていること、子どもの長所と課題などが聞かれます。立派な言葉を並べるより、家庭の考えを自分たちの言葉で、夫婦で一貫して話せることが大切です。質問例は小学受験の面接でよく聞かれる質問にまとめています。
家庭で育てたい6つの力
| 力 | 家庭でできること |
|---|---|
| 聞く力 | 「靴をそろえてから手を洗おうね」のように、2つの指示を1回で伝えて動いてもらう |
| 生活する力 | 着替え、片付け、トイレ、食事のマナーを自分でできるようにする |
| 言葉の力 | 「今日なにをしたの?」「どうしてそう思ったの?」と説明する機会を増やす |
| 数の力 | 配膳、おやつの分け方、残りの数など、生活の場面で数を使う |
| 手先の力 | 折り紙、ひも通し、はさみ、のり、ボタンかけ |
| 集団のルール | 順番を守る、人の話に割り込まない、使ったものを元に戻す |
問題集の量を増やすだけでは、伸び悩むことがよくあります。お話の記憶が苦手なら、普段から人の話を最後まで聞く習慣を、行動観察が不安なら家庭で順番やルールを守る経験を積むことが近道です。
よくある質問
Q. 小学校受験のペーパーテストに文字を書く問題はありますか?
ほとんどの学校で、答えは丸や線、印で書く形式です。文字を書く力より、話を聞いて理解し、指示どおりに答える力が求められます。
Q. 問題集はいつから始めればいいですか?
年中の秋ごろから、1日10〜15分程度で始める家庭が多いです。それ以前は、パズルや積み木、読み聞かせなど遊びの中で力を育てましょう。
Q. ペーパーテストがない学校もありますか?
あります。慶應義塾幼稚舎や学習院初等科、桐朋学園小学校などはペーパーテストを行わず、行動観察や制作、個別テストなどで選考します。
まとめ
- 小学校受験の問題は、ペーパー・個別・行動観察・運動・制作・面接の組み合わせ
- ペーパーはお話の記憶・数量・図形・言語・常識・推理が中心で、答えは丸や線で書く
- どの分野も、毎日の生活の中で育つ力が土台になる
- 志望校の出題の組み合わせを確認し、重点を決めて準備する


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