小学校受験のペーパーテストは、問題を読み上げる声を聞いて、絵に印をつけて答える試験です。主な分野は数量・図形・記憶(お話の記憶)・言語・常識・推理の6つ。家庭では、具体物を使って理解してからプリントに進み、「最後まで聞いてから答える」習慣をつけることが大切です。なお、慶應義塾幼稚舎・学習院初等科・青山学院初等部のように、ペーパーテストを行わない学校もあります。
ペーパーテストというと、たくさんのプリントを解くイメージがあるかもしれません。ただ、5〜6歳の子どもが文字を読まずに取り組む試験なので、求められるのは知識の量より、話を聞いて考え、正確に答える力です。
この記事では、ペーパーテストの分野ごとの出題内容と家庭での練習法、学校ごとの傾向、よくある失敗と直し方を紹介します。小学校受験の問題全体(行動観察・運動・面接など)は小学受験の問題とは?出題内容と家庭でできる対策を分野別に解説でまとめています。
ペーパーテストで求められる力
- 聞く力:問題は先生や音声で読み上げられ、くり返されないこともある
- 理解する力:何を、どの印で答えるのかを正しくつかむ
- 考える力:条件から答えを導く、規則を見つける
- 処理の速さと正確さ:限られた時間で、ていねいに答える
- 集中力:最後の問題まで集中を保つ
分野別の出題内容と家庭での練習
| 分野 | 出題の例 | 家庭での練習 |
|---|---|---|
| 数量 | 数を数える、多い・少ない、合わせる・分ける、等分 | おはじきやお菓子で数えたり分けたりしてから、プリントに進む |
| 図形 | 同じ形探し、重ね図形、鏡に映した形、回転、展開 | 折り紙や積み木、鏡で実際に確かめる |
| 記憶(お話の記憶) | 読み上げたお話を聞いて、登場人物や順番、季節などに答える | 読み聞かせのあとに「だれが出てきた?」「最後はどうなった?」と質問する |
| 言語 | しりとり、同じ音で始まる言葉、言葉の音の数、反対の言葉 | 家族でしりとりや言葉集めを遊び感覚で |
| 常識 | 季節の行事や花・食べ物、生き物、交通ルール、生活のマナー | 季節の行事を体験し、お手伝いや外遊びの中で話題にする |
| 推理 | 規則にしたがって並べる、シーソー、ブラックボックス、迷路 | パズルや簡単なゲームで「どうしてそうなる?」と話し合う |
具体物で理解してから、プリントで練習するのが基本の順番です。プリントだけで覚えた解き方は、少し形を変えた問題に弱くなりがちです。
学校ごとのペーパーテストの傾向
| 学校 | ペーパーテストの特徴 |
|---|---|
| 雙葉小学校 | 1日目にペーパーと巧緻性。ペーパーは5〜6枚程度で、20分ほどと言われる |
| 白百合学園小学校 | 出題範囲が広く、個別テストや行動観察とあわせて見られる |
| 早稲田実業学校初等部 | ペーパーに加えて、個別・行動観察・絵画・運動もある総合型 |
| 暁星小学校 | 1次でペーパーと運動。難易度が高く、スピードと正確さが問われると言われる |
| 洗足学園小学校 | ペーパーは約20分。行動観察・運動とあわせて10月に実施 |
| 東京農業大学稲花小学校 | 30分程度で、記憶・推理・注意・知識・比較などが出題 |
| 慶應義塾横浜初等部 | 1次のペーパーで、季節、理科的な常識、図形、お話の記憶など幅広く出題 |
| 筑波大学附属小学校 | 2次検査でペーパー(記憶・図形・常識など)。処理の速さと正確さが求められる |
一方、慶應義塾幼稚舎(絵画制作・運動・行動観察)、学習院初等科(個別テスト中心)、青山学院初等部(個別テストと集団行動観察)は、ペーパーテストを行いません。志望校の出題形式は、早めに確認しておきましょう。
解き方の基本を身につける
- 問題を最後まで聞いてから、鉛筆やクーピーを持つ
- 答えの印(○・×・△など)を、指示どおりに書く
- 間違えたときの直し方(二重線など)を、学校や教室の指示に合わせて練習する
- わからない問題で止まらず、次の問題に進む
- 終わったら、書き忘れがないか見直す
よくある失敗と直し方
| よくある失敗 | 直し方 |
|---|---|
| 問題を最後まで聞かずに答え始める | 親が問題を読み終えるまで手をひざに置く練習をする |
| 印の書き方を間違える | 練習のときから、印の種類を指示どおりに書く習慣をつける |
| 時間がかかりすぎる | 慣れてきたら、1問ごとに時間を区切って取り組む |
| 同じ間違いをくり返す | 間違えた問題は、具体物に戻って確かめてからもう一度解く |
| プリントを嫌がる | 量を減らし、できた問題をほめる。遊びの中の学びに戻す |
時期別の進め方
| 時期 | 進め方 |
|---|---|
| 年少〜年中 | 具体物や遊びを中心に。プリントは1日数枚、10〜15分程度 |
| 年長の春〜夏 | 分野ごとの基礎を固め、苦手な分野を見つけて補う |
| 年長の秋 | 志望校の出題に合わせた練習と、時間を計った問題演習 |
勉強時間の目安は小学校受験の勉強時間の目安|共働き家庭の平日・週末・1か月の時間配分の例、模試の活用法は小学校受験の模試の活用法|結果の見方・受ける回数の考え方・復習の手順で紹介しています。
よくある質問
Q. プリントは1日何枚くらい解けばいいですか?
年中は数枚、年長でも量より質を大切にしましょう。間違えた問題を具体物で確かめ直すほうが、枚数を増やすより力がつきます。
Q. 市販の問題集はどう選べばいいですか?
まずは分野別の基礎的な問題集から始め、年長の秋に志望校の出題に合わせた問題集に取り組むのが一般的です。教室に通っている場合は、教室の教材を優先しましょう。
Q. ペーパーテストのない学校を受ける場合も、練習は必要ですか?
ペーパーの分野(数量・記憶・言語など)は、個別テストで口頭で問われることがあります。プリントにこだわらず、遊びや会話の中で力を育てましょう。

