共働き家庭の受験準備は、「誰が・いつ・何をするか」を家庭の状況に合わせて決めることが出発点です。祖父母に頼れるか、時短や在宅勤務があるか、きょうだいがいるかで、無理のない分担のしかたは変わります。
同じ共働きでも、勤務時間や頼れる人の有無は家庭ごとに違います。ほかの家庭のやり方をそのまま取り入れるより、自分たちの条件に合った形を考えるほうが長続きします。
この記事では、共働き家庭によくある5つのタイプ別に、平日・週末の時間管理と役割分担の例を紹介します。
ここで紹介するのは、よくある家庭の状況をもとにした分担の一例で、特定の家庭の事例ではありません。勤務時間や教室の曜日に合わせて調整してください。
分担を決める前に話し合っておきたい3つのこと
- 平日の家庭学習の時間帯:朝にするか、夕食の前後にするか。だれが担当するか
- 教室の送迎:曜日ごとにだれが行くか。行けない日はだれに頼むか
- 説明会・面接・考査の日の休み:平日に行われることも多いため、いつ・だれが休暇を取るか
この3つが決まっていると、急な残業や子どもの発熱があっても慌てずに済みます。共有カレンダーなどで、夫婦がいつでも予定を確認できるようにしておきましょう。
タイプ1:祖父母が近くに住んでいる家庭
祖父母に送迎や帰宅後の見守りをお願いできると、平日の時間にゆとりが生まれます。
| 担当 | 分担の例 |
|---|---|
| 祖父母 | 保育園のお迎え、週1〜2回の教室の送迎、夕方の見守り |
| 早く帰宅できる親 | 夕食後20〜30分の家庭学習、読み聞かせ |
| もう一方の親 | 朝15分のペーパー、週末の運動や外遊び |
祖父母には、勉強を教える役割より「送迎・見守り」を中心にお願いしましょう。教え方が親と違うと子どもが戸惑いやすく、祖父母の負担も大きくなります。教室からの連絡や宿題の進み具合は親が把握しておきます。
タイプ2:祖父母が遠方で頼れない家庭
夫婦だけで回そうとすると、どこかで無理が出やすくなります。外部のサービスを最初から計画に組み込んでおきましょう。
| 担当 | 分担の例 |
|---|---|
| ベビーシッター(週1〜2回) | 教室の送迎、帰宅後の見守り |
| ファミリー・サポート・センター | 保育園のお迎えや短時間の預かり(自治体の会員制度) |
| 家事代行・食材宅配 | 平日の家事の時間を減らす |
| 親 | 家庭学習、面接の準備、学校の情報集め |
送迎を任せる場合も、教室での様子や宿題の進み具合は親が把握しましょう。教室の先生との面談には、できるだけ親が出席します。
タイプ3:どちらかが時短勤務・在宅勤務の家庭
時間の融通がききやすい方が送迎と平日の学習を担当し、もう一方が週末や面接準備で支える形が多くなります。
| 担当 | 分担の例 |
|---|---|
| 時短・在宅の親 | 保育園と教室の送迎、平日の家庭学習、教室との連絡 |
| フルタイムの親 | 朝のペーパー、週末の運動・外遊び、模試の付き添い |
| 夫婦で | 説明会への参加、願書の内容づくり、面接の練習 |
片方に負担が集中しやすいタイプです。週末は担当を交代する、願書は二人で話し合って書くなど、もう一方が中心になる場面を意識してつくりましょう。面接では父親・母親の両方に質問されることが多く、二人が同じ考えを話せることが大切です。
タイプ4:夫婦とも帰宅が遅い・出張が多い家庭
平日の夜に時間が取れない場合は、朝の時間と週末を中心に組み立てます。
| 時間帯 | 過ごし方の例 |
|---|---|
| 平日の朝(15〜20分) | ペーパー2〜3問、前日の復習 |
| 平日の夜(10分) | 読み聞かせ、今日あったことを話す |
| 土曜日 | 教室や模試 |
| 日曜日 | 家庭学習(30〜40分×2回)、外遊びや季節の体験 |
平日の分を週末に取り戻そうとして長時間の学習を詰め込むと、子どもが疲れてしまいます。週末の学習は1回30〜40分で区切り、休憩や外遊びをはさみましょう。
平日の夜に保育園からの帰宅後を任せられる人がいない場合は、タイプ2のように外部のサービスも検討しましょう。
タイプ5:きょうだいがいる家庭
下の子のお世話と受験準備が重なる家庭では、受験する子と1対1で向き合う時間をどうつくるかがポイントです。
| 担当 | 分担の例 |
|---|---|
| 親A | 受験する子の家庭学習、教室の送迎 |
| 親B | 下の子のお世話、寝かしつけ |
| 週末 | 交代で受験する子と出かける。外遊びはきょうだい一緒に |
上の子の受験では下の子が寂しさを感じやすく、下の子の受験では上の子の習い事や学校行事と重なりがちです。きょうだいのケアは【小学校受験】兄弟がいると有利は本当?上の子・下の子のケアと双子の受験で詳しく紹介しています。
どのタイプにも共通するポイント
- 送迎・宿題・行事の担当を共有カレンダーなどで「見える化」する
- 月に一度、夫婦で進み具合と志望校について話す時間をとる
- 教室の宿題は先生に優先順位を聞き、全部を完璧にこなそうとしない
- 説明会や考査の日程がわかったら、早めに休暇を申請する
- 親が疲れている日は、学習を早めに切り上げる
仕事と受験準備を両立するには、完璧を目指さず、優先順位を決めて割り切ることが欠かせません。家事は外部サービスに頼る、講習は志望校に必要なものに絞るなど、減らせるものを先に決めておきましょう。
分担がうまくいっていないサイン
- 進み具合を把握している人が夫婦の一人だけになっている
- 送迎や宿題を外部に任せきりで、親が子どもの様子をよく知らない
- 夫婦の話し合いが「どちらがやるか」の押し付け合いになっている
- 子どもが「疲れた」「行きたくない」と言う日が続いている
こうしたサインが続くときは、教室の回数や講習の数を見直し、家庭の生活リズムに合う計画に組み直しましょう。宿題の量に悩んだときの考え方は小学受験塾の宿題が多くて終わらないときは?共働き家庭の進め方と5つの対処法で紹介しています。
よくある質問
Q. 祖父母に勉強を見てもらってもいいですか?
プリントを解く間の見守り程度ならとても助かります。ただ、教え方の違いで子どもが混乱することもあるので、何をお願いするかは親が決め、やり方を伝えておきましょう。
Q. シッターに教室の送迎を任せても大丈夫ですか?
送迎をシッターに頼む家庭もあります。教室によっては授業後に保護者へ説明する時間があるなど、保護者の付き添いを前提としている場合もあるので、事前に教室に確認しておきましょう。
Q. 面接で共働きの体制について聞かれますか?
学校によっては、仕事中の子どもの過ごし方や、急な病気のときの対応を聞かれることがあります。だれが、いつ、どう関わっているかを具体的に話せるようにしておきましょう。

