お受験ラボ編集部です。2019年に世田谷区で開校した東京農業大学稲花小学校は、歴史ある伝統校が多い首都圏の小学校受験界において、短期間で注目を集めています。今では、慶應義塾幼稚舎や早稲田実業初等部と肩を並べる難関校として知られ、受験生や保護者の間で話題となっています。
「本当に倍率は13倍を超えているのか?」「なぜ伝統校を超える人気を誇るのか?」といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。この記事では、2025年度の入試動向を踏まえ、東京農業大学稲花小学校の高倍率の背景と、現代の保護者に支持される理由をわかりやすく解説します。受験を検討されているあなたの参考になれば幸いです。
1. 驚異の倍率|慶應幼稚舎や早稲田実業と並ぶ狭き門
13倍を超える倍率は珍しくない
東京農業大学稲花小学校の入試倍率は、開校以来一貫して上昇しています。募集定員は男女合わせて72名に対し、志願者数は年間で1,000名から1,300名程度にのぼります。そのため、実質倍率は10倍から13倍前後となり、慶應義塾幼稚舎や早稲田実業初等部と同等か、場合によってはそれ以上の難関校と言えるでしょう。
記念受験が多いわけではなく、真剣に第一志望として志願する家庭が多いため、実際の難易度は偏差値60台後半のトップクラスです。受験対策はしっかりと準備する必要があります。
前期・後期日程の仕組みと倍率の背景
稲花小学校の入試は前期・後期の2回に分かれていますが、実際には第一志望の受験者が圧倒的に有利な仕組みです。このため、倍率が高止まりしている一因となっています。受験戦略を立てる際には、この特徴を理解し、効率的に挑むことが重要です。
2. 人気の理由①|共働き家庭に寄り添う手厚いサポート体制
稲花小学校が多くの保護者から支持される最大の理由は、令和時代の共働き家庭が求める環境を充実させている点にあります。
充実したアフタースクールの存在
多くの私立小学校では下校後に自宅へ帰る方針ですが、稲花小学校は校内に充実したアフタースクール(学童保育)を設けています。最長で19時まで預かりが可能で、宿題のサポートや英語、理科実験など多彩なプログラムが用意されています。
「小1の壁」に直面する共働き家庭にとって、この環境は大きな助けとなっており、仕事と子育ての両立を支えています。
毎日提供される栄養満点の完全給食
お弁当作りの負担を軽減するため、東京農業大学の「食と農」の専門知識を活かした給食が毎日提供されます。質の高い食育も実現しており、親の負担を減らしつつ子どもの健康を守る点が現代のニーズに合致しています。
3. 人気の理由②|実学主義に基づく体験型教育の魅力
東京農業大学の附属校ならではの特色あるカリキュラムも、保護者から高く評価されています。
独自の授業「稲花タイム」
国語や算数の授業とは別に、「稲花タイム」という独自の時間が設けられています。ここでは、生き物の飼育や農作物の栽培、収穫、調理体験を行い、大学の教授や施設と連携した本格的な科学実験も体験できます。
座学だけでなく、実際に手を動かして学ぶ「実学(じつがく)」の精神は、AI時代を生きる子どもたちに必要な原体験として、多くの教育熱心な保護者に支持されています。
4. 偏差値と難易度|ペーパーテストの壁は高い
「新設校だから入りやすい」と考えるのは危険です。実際には高い学力が求められます。
高い処理能力と論理的思考が必要
稲花小学校の入試ペーパーテストは非常に難易度が高いことで知られています。短時間で多くの問題を正確に処理するスピードと、暗記だけでは解けない論理的な思考力が求められます。
大手模試の偏差値では60〜65が合格の目安とされており、早稲田実業や成蹊、桐朋などの難関校と併願する受験生が多いのも特徴です。
まとめ|時代が求めた理想の学校としての稲花小学校
東京農業大学稲花小学校の人気は、伝統校の良質な教育と現代の共働き家庭を支えるサポート体制を高いレベルで両立している点にあります。
- 高倍率:10倍以上の競争を覚悟する必要がある
- 高偏差値:トップレベルのペーパー力が求められる
- 高満足度:入学後も手厚い支援と充実した体験学習が待っている
令和時代を象徴する人気校であることは間違いありません。決して簡単な道ではありませんが、しっかり準備をすれば合格の可能性は十分にあります。まずはこの高い壁を正しく理解し、戦略的に受験に臨んでください。


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