こんにちは。小学校受験専門メディア「お受験ラボ」編集長の私です。学習院初等科と聞くと「お金持ちの学校」というイメージを持つ方も多いでしょう。確かに皇室ゆかりの名門校ですが、実際にかかる学費はどの程度なのか、気になる方も多いはずです。桁違いの費用を想像して不安になることもありますが、慶應義塾や早稲田実業、青山学院などの難関私立小学校と比べて、特別に高額というわけではありません。
ただし、学習院には長い伝統を守るための独自の費用もあります。この記事では、公式に発表されている授業料に加え、制服や指定品、寄付金なども含めて、6年間でかかるリアルな総額をわかりやすくご紹介します。これから受験を考えるあなたの参考になれば幸いです。
6年間の学費総額|授業料は難関校の標準的な水準
まずは学習院初等科に納める基本的な学費から見ていきましょう。年度によって多少の変動はありますが、おおよその目安としてご理解ください。
初年度納入金(入学時)
- 入学金:300,000円
- 授業料:約860,000円(年額)
- 維持費・教育充実費:約460,000円
- その他(給食費・輔仁会費など):約150,000円
初年度合計は約1,700,000円〜1,800,000円となります。
2年目以降と6年間の合計
授業料や維持費は毎年かかります。2年目以降は入学金が不要なため、年間の学費はおおよそ以下の通りです。
- 年間学費:約1,400,000円〜1,500,000円
- 6年間の学費総額:およそ9,000,000円前後
慶應義塾幼稚舎や早稲田実業とほぼ同じ水準で、維持費の関係でやや高めになることもあります。一般家庭でも努力次第で手が届く範囲の費用と言えるでしょう。
ランドセル発祥の地!伝統の指定品にかかる費用
学習院初等科に通うには、学費のほかに「学習院ブランド」で統一された学用品を揃える必要があります。特にランドセルや制服は、伝統を重んじる学校ならではのこだわりが感じられます。
ランドセルの起源と伝統
日本の小学生が背負うランドセルの起源は1887年(明治20年)にさかのぼります。後の大正天皇が学習院初等科に入学された際、伊藤博文が軍隊用の背嚢を献上したことが始まりとされています。この歴史的背景から、学習院のランドセルには特別な誇りが込められています。
指定ランドセルは男女ともに黒の牛革が伝統です。女子が赤やピンクを持つことは基本的にありません。近年は機能性を考慮し、学校指定の範囲内で多少の変化はありますが、基本は黒です。無駄な装飾を省いたシンプルで重厚なデザインが特徴です。
価格は職人の手作りであるため、一般的なランドセルより高価で、10万円以上になることも珍しくありません。
質実剛健な制服の費用
- 男子:紺色の詰め襟に半ズボンという伝統的なスタイルです。
- 女子:紺のセーラー型ジャケットにスカートまたはワンピース。派手さはありませんが、生地や仕立てが良い指定品を揃える必要があり、夏服・冬服一式で10万円〜20万円の初期費用がかかります。
愛校心が支える「寄付金」の存在
学習院の費用を語るうえで欠かせないのが寄付金です。これは単なる負担ではなく、学校の伝統や教育環境を守るための大切な資金となっています。
教育振興資金は募集要項などで案内されており、目安は一口〇万円〜(任意)です。寄付金は任意ですが、多くの保護者が卒業生や地域の方々と同じく、愛校心から協力しています。歴史ある校舎の保存や温水プール、広大なグラウンドなど充実した施設を維持するために重要な役割を果たしています。
強制ではありませんが、「この環境を守る一員になる」という意識で予算に組み込んでおくのが賢明です。
意外と見落としがちな「お付き合い」と「習い事」の費用
学習院の保護者同士の付き合いは、派手な見せびらかしや成金的な豪華さは避けられます。その代わり、質の高い体験や文化的な活動にお金をかける傾向があります。
- 夏休みは避暑地の別荘で過ごすこともあります。
- 幼少期から歌舞伎やクラシックコンサートに親子で足を運ぶことが多いです。
- 習い事はバイオリンや日本舞踊、乗馬など伝統的なものを選ぶ家庭が多いです。
こうした目に見えにくい文化的な出費が、6年間で積み重なっていくのが学習院ライフの特徴です。あなたもこれらの費用を念頭に置きながら、計画的に準備を進めることをおすすめします。
まとめ:1,000万円超は「環境」への価値ある投資
6年間の授業料約9,000,000円に加え、制服や指定品、寄付金、お付き合い費用を含めると、総額で1,200万円〜1,500万円程度の教育資金が必要になると見込まれます。この金額を高いと感じるかどうかは、皇室の方々も学ぶ「日本最高峰の品格ある環境」にお子様を置ける価値をどう捉えるかによります。
単なる学びの場ではなく、一生ものの「育ち」を手に入れるための投資と考えれば、決して過剰な負担ではないかもしれません。


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