小学校受験専門メディア「お受験ラボ」編集部です。学習院初等科の入試は、他の難関校とは異なる独特の特徴を持っています。早稲田が「高い知能と体力」を、慶應が「輝く個性」を重視するのに対し、学習院が求めているのは「嘘偽りのない、正直な品格」です。この品格は短期間の詰め込み学習で身につくものではなく、日々の生活習慣や家庭環境が大きく影響します。この記事では、合格に欠かせない「面接」「願書」「個別テスト」の3つのポイントを詳しく解説します。
1. 面接対策:練習しすぎた回答は逆効果になる理由
学習院の面接は親子で受けることが一般的です。ここで重視されるのは、完璧な答えではなく「家庭のありのままの姿」です。
マニュアル通りの回答はすぐに見抜かれる
例えば、「本校の教育理念に共感し…」といった塾で教わった定型文を暗記して話すのは避けましょう。面接官は何千組もの親子を見てきたプロです。借り物の言葉ではなく、自分の言葉で誠実に語る姿勢が求められます。
子どもへの質問で試される「正直さ」
お子さまには「お家で叱られるのはどんな時ですか?」などの質問がされることがあります。ここで「叱られません」と嘘をついたり、親の顔色を伺ったりするのはマイナスです。例えば、「弟と喧嘩した時です」と正直に答え、その後の仲直りの仕方を話せるかどうかがポイントです。学習院の教育目標である「正直・思いやり」が身についているかを見られています。
2. 願書の書き方:一文字に表れる親の覚悟と誠意
面接時間が限られている分、願書(入学志願書)は実質的な一次審査とも言える重要な書類です。
志望理由は具体的に、学校との共通点を示す
「伝統があるから」「環境が良いから」だけでは弱い印象を与えます。以下の点を具体的なエピソードとともに書くことが大切です。
- なぜ他校ではなく学習院を選んだのか。
- 家庭の教育方針と学校の「質実剛健」な校風がどのように合致しているか。
字の丁寧さは親の礼儀を示す
内容だけでなく、字の丁寧さも非常に重要です。達筆である必要はありませんが、一画一画に心を込め、修正液を使わずに書き損じたら新しい用紙に書き直すのがマナーです。願書一枚から、親の学校に対する敬意や物事に取り組む姿勢が伝わります。
3. 個別テスト攻略:学習院名物の1対1口頭試問とは
ペーパーテストとは別に、先生と子どもが1対1で対話する個別テストがあります。学習院入試の最大の山場とも言えるこの試験では、以下のような質問がされます。
どんな質問がある?
- 生活習慣:「今日の朝ごはんは何でしたか?」「お風呂では体のどこから洗いますか?」
- 常識:「この季節のお花を知っていますか?」
- 問題解決:「お友達におもちゃを取られたらどうしますか?」
評価されるのは言葉遣いと態度
正解を答えること以上に、「〜です」「〜ます」といった丁寧語が自然に使えるか、相手の目を見て話せるかが重要です。また、わからない時に黙り込まずに「わかりません」と正直に答えられる潔さも評価されます。
4. ペーパー・行動観察:訂正方法や後片付けも見逃されない
ペーパーテストの独特な作法
学習院のペーパーテストは難問は少ないものの、訂正の仕方に独自のチェックが入ると言われています。間違えた時にぐちゃぐちゃと塗りつぶすのではなく、二重線や×で綺麗に消して横に書き直すなど、丁寧な作業ができるかがポイントです。
行動観察で問われる後片付けの姿勢
集団遊びの最後には必ず「お片付け」の時間があります。遊ぶ時は思い切り楽しみ、片付けの合図で気持ちを切り替えられるか。使った道具を投げたりせず、端を揃えて片付けるなど、「立つ鳥跡を濁さず」の精神が6歳児にも求められています。
まとめ:日常の躾こそが学習院合格の最強対策
学習院初等科の入試対策を一言で言えば、良質な生活習慣の積み重ねに尽きます。家族で食卓を囲み、会話を大切にする。自分の靴をきちんと揃える。嘘をつかず、正直であること。こうした当たり前のことを日々の生活で自然にできるようにすることが、特別な塾や対策以上に合格への近道です。家庭での躾を見直し、子どもが本来持つ品格を育てていきましょう。


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