はじめに
小学校受験を考える首都圏の保護者の方なら、「ジャック幼児教育研究所」と「伸芽会」という名前を一度は耳にしたことがあるでしょう。この二つは幼児教室業界の大手として知られていますが、教育方針や指導スタイル、費用体系、営業のあり方など、実は大きく異なります。
「伸芽会は営業が強い」「費用が高い」といった評判もありますが、これらは本当なのでしょうか?それとも誤解が混じっているのでしょうか?
この記事では、伸芽会の公式情報や口コミ、SNSの声、社員の評判など多角的な視点から実態を探り、特にジャックとの違いを明確に解説します。あなたがどちらの教室を選ぶべきか判断するための参考になれば幸いです。
伸芽会とは?基本情報を押さえる
施設概要
- 正式名称:株式会社伸芽会
- 設立年:1956年(約69年の歴史)
- 本部所在地:東京都豊島区(池袋)
- 教室展開:首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)および関西(大阪)中心に約24教室
- 対象年齢:0~6歳(プレクラスから小学校受験コースまで)
- 会員数:累計17万人超
業界での位置づけ
伸芽会は東証プライム市場に上場しているリソー教育グループの一員であり、ジャック幼児教育研究所のような個人経営の職人気質とは異なり、組織力やデータ分析力、総合的なマネジメント力を持つ大手企業です。
教育理念
伸芽会の教育理念は以下の三本柱で成り立っています。
- 創造力教育:単なる暗記ではなく、子どもの好奇心や探究心を刺激し、自ら考える力を育てる。
- 体験的教育:具体物を使った実験や体験を通じて抽象的な概念を理解させる。プリント学習の前に五感を使った体験を重視。
- 自助力教育:親の助言を最小限にし、子ども自身が問題解決や困難を乗り越える力を養う。
この理念はジャックの「協調性・自発性重視」とは異なり、創造的思考力と自立心に重きを置いています。
主な特徴
- 東証プライム上場企業傘下の安定した組織力と経営資源の投入
- 業界最大規模の模試「伸芽会オープン模試」は累計100万人以上が受験し、偏差値判定の信頼性が高い
- 入試説明会や願書添削会、模擬面談など保護者向けイベントが充実
- 教材出版事業も展開し、市販教材としても人気が高い
- 授業は集団指導が基本で、親は授業中教室に入らない完全母子分離を採用
総合評価|複数情報源から見る評判
口コミサイトでの評価
伸芽会は複数の口コミサイトで3.5~3.8点(5点満点)と安定した評価を得ています。ジャックは3.4~3.6点と比較すると、やや高評価です。
評価の視点別傾向
| 評価視点 | スコア | 特徴 |
|---|---|---|
| 保護者評価(口コミサイト) | 3.6~3.8点 | 創造性重視の指導と合格実績のバランスが良く、「楽しんで学べる」との声が多い |
| 社員評価(エン・カイシャの評判) | 3.2点(やや低め) | 勤務環境や残業に懸念があるが、回答数は14件と限定的 |
| X(旧Twitter)での口コミ | 賛否両論 | 合格速報の共有が活発だが、高額費用に関する言及も増えている |
保護者の満足度が高いのは、子どもが楽しみながら通い、創造性が育まれたという体験と、合格実績という結果の両面が評価されているためです。
伸芽会が向いている保護者像
- 首都圏・関西在住で小学校受験を考えている
- 子どもの創造性や自発的思考力を伸ばしたい
- 模試データや情報サポートを重視したい
- 年間100万円以上の費用を投資できる経済力がある
- 授業中の親の負担をできるだけ減らしたい
伸芽会が向かない保護者像
- 費用をできるだけ抑えたい
- ペーパー試験対策に特化した教室を求めている
- 非受験家庭で基礎的な知育だけを望む
- 合格実績を最優先に考える
ジャックと伸芽会の決定的な違い5点
ここでは「伸芽会 ジャック 違い」で検索する保護者の方に向けて、両者の特徴を具体的に比較します。
1. 授業中の親の関わり方|同伴か完全母子分離か
ジャック幼児教育研究所
- 親が教室に同伴し、子どもの様子を観察できる
- 親の存在が子どもの安心感につながる
- 授業の様子をリアルタイムで確認可能
伸芽会
- 授業中は親は教室に入らない完全母子分離
- マジックミラーやモニターで様子を見守る教室もある
- 授業後の「マザーリング」で保護者にフィードバック
伸芽会の母子分離は「親に頼らず自立する力を育てる」という理念に基づいています。親の顔を見ずに先生や友だちと向き合うことで、自分の力を試す環境を作っています。
伸芽会は自立心を伸ばしたい家庭に向いています。一方、ジャックは親のサポートで安心感を得たい家庭に適しています。
2. カリキュラムの特徴|競争型か体験型か
ジャック幼児教育研究所
- 志望校別のクラス制で競争心を育成
- ペーパー試験対策に強化
- 体操や面接も含めた総合的な対策
- 同じレベルの子どもが集まり競争意識が高まる
伸芽会
- 体験的学習を重視し、具体物を使った段階的学習
- らせん状カリキュラムで同じ単元を難易度を変えて繰り返す
- 工作やパズル、五感教材で創造性を刺激
ジャックは合格を目標に競争を通じて子どもを伸ばすスタイルです。伸芽会は子どもの発見の喜びを大切にし、焦らずじっくり知識を定着させるアプローチです。
伸芽会は創造的思考力を育てたい家庭に向いています。ジャックは合格実績重視で競争心が伸びるタイプの子どもに適しています。
3. 模試とデータ活用|学内模試か業界最大規模模試か
ジャック幼児教育研究所
- 学内で実施する模試で受講者内の相対評価
- 志望校別クラス分けの参考に活用
伸芽会
- 累計100万人以上が受験する業界最大規模の「伸芽会オープン模試」
- 会員以外も受験し、偏差値判定の信頼性が高い
- 過去の膨大なデータから併願戦略を提案
伸芽会の模試は客観的で正確な偏差値判定が可能です。データに基づいた志望校選定をしたい家庭に向いています。ジャックは経験や感覚を重視し、特定校に絞った対策を望む家庭に適しています。
4. 願書・面接対策|実践的か組織的か
ジャック幼児教育研究所
- 志望校別講習で面接対策を実施
- 講師による個別指導が中心
伸芽会
- プロによる願書添削で学校のカラーに合わせた文章作成を支援
- 実際の入試に近い模擬面談を実施
- 願書作成法や面接対策の無料セミナーを定期開催
- 組織的で緻密な指導体制
願書添削が苦手な保護者には伸芽会のサポートが心強いでしょう。ジャックは自分たちで傾向を研究し、小規模なサポートで十分な家庭に向いています。
5. 企業体質・安定性|職人気質か組織力か
ジャック幼児教育研究所
- 個人経営に近い職人気質
- 経験豊富な講師が多い
伸芽会
- 東証プライム上場企業のリソー教育グループ傘下
- 組織的な講師育成システムとデータ分析に基づくカリキュラム開発
- 教材開発やイベント企画に経営資源を投入
伸芽会は安定した教室運営が期待でき、大手企業のリソースを活用したい家庭に向いています。ジャックは講師の個性や職人的指導を重視する家庭に適しています。
2023~2025年度合格実績|伸芽会の安定した実績
伸芽会は特定の学校に特化せず、慶應義塾幼稚舎や早稲田実業、学習院初等科、青山学院初等部、暁星小学校など幅広い難関校に合格者を輩出しています。
特に女子校での合格者数が増加傾向にあり、聖心女子学院初等科や白百合学園小学校、東洋英和女学院小学部での実績が目立ちます。これは伸芽会の創造性や自助力を重視する教育方針が、女子校の自立した女性育成の理念と合致しているためと考えられます。
コロナ禍で一時的に合格者数が減少したものの、2021年度以降は回復し安定しています。SNS上では慶應や早実の合格速報が頻繁に共有され、実績の高さがうかがえます。
伸芽会のメリット|保護者からの肯定的な声
1. 豊富な合格実績と情報力
口コミでは「名門校の合格率が高い」「入試分析イベントが役立つ」との声が多く、動画配信による入試報告会も全国からアクセス可能です。オープン模試の偏差値判定は本番の予測に優れていると評価されています。
業界最大規模の模試や膨大な受験データに基づく併願戦略の提案、充実した入試説明会や学校研究会資料、リアルタイムの合格速報など、情報面での支援が特に充実しています。
2. 創造性を重視した独自カリキュラム
伸芽会は詰め込みではなく、子どもが発見の喜びを感じられる教育を目指しています。積み木やおはじき、季節の植物など具体物を使った体験学習を徹底し、パズルや工作、五感刺激教材で論理的思考や表現力を育てます。
らせん状カリキュラムにより、同じ単元を難易度を変えて繰り返し学習し、抜け漏れなく定着させる工夫もあります。保護者からは「子どもが自ら考える力がついた」「楽しんで学べる環境」と好評です。
3. 充実した保護者・家庭サポート
願書添削はプロによる丁寧なチェックで、学校のカラーに合わせた文章作成を支援。模擬面談や願書作成法、面接対策の無料セミナーも定期的に開催しています。家庭教育アドバイスもあり、親子関係や育児方針の相談にも応じています。
口コミでは「家庭教育アドバイスが参考になった」「合格者座談会で体験談を共有し、無理なく合格できた」「講師の質が高くフォローも完璧」といった声が寄せられています。
4. 子どもの成長促進と安全・安心な環境
教室はセキュリティや清潔さに配慮され、安心して通える環境が整っています。男性講師も多く、厳しくも優しい指導が特徴です。子どもたちは集中力や協調性を自然に身につけ、表現力の向上も実感されています。
親からは「月謝の価値を感じられる」との満足の声が多く聞かれます。
伸芽会のデメリット|注意すべきポイント
1. 高額な料金と営業の強さ
伸芽会の基本月謝は年長コースで週2~3回、約14万円です。これに加え、季節講習や志望校別講習、合宿、教材・模試費用がかかり、年間総額は約320万円に達することもあります。
口コミでは「想像以上に費用がかかる」「家計が圧迫される」といった声が多く、営業が強いという評判の背景には、スタッフが合格のために必要と考える講座を積極的に提案する点があります。
ただし、全ての講座を受ける必要はありません。親が冷静に必要な講座を選び、不要なものは断る判断力が重要です。
2. カリキュラムの柔軟性不足
創造性重視のため、ペーパー試験に特化した学校を志望する場合は別途対策が必要になることがあります。また、集団指導が基本のため個別対応が薄く、発達の遅れがある子どもには厳しい面も指摘されています。
3. 競争やプレッシャーの高さ
模試の偏差値に基づくクラス分けが子どものモチベーション低下を招くこともあります。SNSでは「幼稚園受験は推奨されたが小学校受験に失敗し虚無感を感じた」といった体験談も見られます。
4. 運営面での懸念
社員の評判では生徒数減少や実績低下の懸念、コロナ後の模試規模縮小が指摘されています。ただし、上場企業としての安定性もあり、これらは一時的なものと考えられます。
「営業が強い」「費用が高い」という評判の真相
営業が強いという評判について
伸芽会のスタッフは追加講座を提案しますが、これは必ずしも悪質な営業ではありません。多くの生徒が季節講習を受けて成績を伸ばしており、合格実績に基づく教育的な提案です。業界全体でも季節講習はほぼ必須に近い形で案内されています。
大切なのは、提案を受けた際に「本当に我が子に必要か」を親が判断し、不要なら断る勇気を持つことです。伸芽会のスタッフは予算の都合での断りも尊重します。
費用が高いという評判について
費用が高いのは事実ですが、その背景には上場企業ならではの充実した教材開発や模試運営、イベント企画、講師育成などの経営資源の投入があります。また、願書添削や模擬面談、セミナーなどの手厚い保護者サポートも含まれています。
合格実績が伴っているため、費用に見合った価値が提供されているかは、実際の体験や満足度で判断すべきでしょう。
願書・面接対策|伸芽会の強み
伸芽会が特に高く評価されるのは願書添削と面接対策です。プロの講師が初回添削で志望動機の明確さや内容をチェックし、学校別の傾向分析を踏まえた組織的な添削を行います。模擬面談も実際の入試に近い形式で実施し、季節ごとの無料セミナーで保護者に情報提供しています。
このような手厚いサポートは、願書作成や面接に不安を感じる保護者にとって大きな安心材料となっています。


コメント