小学校受験の願書は合格の第一歩として非常に重要な役割を持っています。
願書は単なる提出書類ではなく、学校側が家庭の教育観や子どもへの向き合い方を判断する大切な資料とされています。
この記事では、願書の書き方の基本から学校別の採点ポイント、合格事例、そして避けるべき表現まで詳しく解説します。これから願書作成に取り組む保護者の方に役立つ内容です。
願書が合否に影響する4つの理由

願書は面接の基礎資料となり、家庭の教育水準や学校とのマッチング度を示す重要な資料です。
1. 面接の基礎資料となる
面接官は願書を事前に読み込んでいるため、内容に矛盾や曖昧さがあると面接で厳しい質問がされる傾向があります。
2. 家庭のしつけや教育水準が見える
3. 学校とのマッチング度を判断される
志望理由が明確でないと、他校でも良いのではと判断されやすいため、学校の教育理念や特色に合った内容を書くことが大切です。
4. 直前の対策では間に合わない
願書は一朝一夕で完成するものではなく、春や夏からじっくり時間をかけて準備することが求められます。焦らず計画的に取り組みましょう。
学校別・願書採点基準トップ10

各難関校の願書採点ポイントを理解し、学校ごとの特色に合わせた願書作成が重要です。
1位:慶應義塾幼稚舎
福翁自伝を読み込み、育児方針と結びつけた具体的な記述が重視されます。
避けるべき表現は「子どもを厳しく躾ける」や「高い学力を期待する」など、福翁自伝の精神と矛盾する内容です。
2位:東洋英和女学院小学部
ミッションスクールの中でなぜ東洋英和を選ぶのか、他校との違いを明確に示すことが重要です。
避けるべき表現は「伝統がある学校だから」など表面的な理由です。
3位:青山学院初等部
学校への関与度や参加度を重視し、具体的な情報収集の記録が評価されます。
避けるべき表現は「パンフレットを見て」など受け身の情報収集です。
4位:早稲田実業初等部
親の社会的視点や教育政策への関心が問われ、日本の教育全体をどう捉えているかが評価されます。
5位:学習院初等科
短所を長所に変える視点や親の現実的な観察力が重視され、理想的な子ども像ではなくありのままの姿を理解しているかがポイントです。
6位~10位の学校別ポイント
- 成蹊小学校:粘り強さや思考の深さが言葉選びから評価されます。
- 立教小学校:キリスト教教育への理解と男児育成に対する親の視点が重要です。
- 聖心女子学院初等科:親の精神的成熟度や子どもへの無条件の愛情が評価されます。
- 白百合学園小学校:純粋な学びへの姿勢と自由さが重視されます。
- 洗足学園小学校:親からの主体性や創造性の見守りがポイントです。
願書採点項目のチェックシート

合格者の分析から推測される願書評価の主な項目と配点です。
| 項目 | 配点 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 字の丁寧さ | 3% | 鉛筆の濃さ、行の揃い、修正液の有無 |
| 文法・敬語の正確さ | 5% | 敬体の統一、主語述語の一致 |
| 学校理念の理解度 | 15% | 学校固有の表現・キーワード使用 |
| 志望理由の具体性 | 15% | 一般論ではなく、その学校に特有の内容 |
| 子どもの育成像の明確さ | 15% | 「20年後どんな大人に」のビジョン |
| 家庭での実践例 | 15% | 理想論でなく具体的なエピソード |
| 親の思考の一貫性 | 12% | 願書全体の矛盾がないか |
| 親の現実的観察力 | 10% | 短所も含め客観的に見ているか |
| 推敲の丁寧さ | 5% | 誤字脱字の有無、段落構成の適切さ |
願書執筆の4つのステップ
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願書作成は計画的に進めることが大切で、4つの段階に分けて準備すると良いでしょう。
ステップ1:情報収集(春~初夏・約3ヶ月)
- 学校説明会に複数回参加(最低3回を目標に)
- 運動会や文化祭、ファミリーフェアなど学校行事に参加
- 在校生の保護者や卒業生との面談を活用
- 教育方針書や建学の精神を何度も読み込む
- 校長や教頭のメッセージを音読レベルで理解
ステップ2:自己分析(初夏~秋初期・約2ヶ月)
- 親子でじっくり対話し、「子どもは20年後どんな大人になってほしいか」を話し合う
- 「わが家の育児で大切にしていること」を30項目以上書き出す
- 子どもの成功や失敗のエピソードを時系列で整理
- 親自身の人生観や教育観を言語化しておく
ステップ3:ドラフト作成(秋中期・約3週間)
- 感情のまま自由に書くバージョン
- 学校の理念と結びつけて再構成するバージョン
- 他校との差別化を明確にするバージョン
ステップ4:推敲・清書(秋後期~出願直前・約2週間)
- 幼児教室の講師に最低2回は添削してもらう
- 教員や編集者など文章のプロに読んでもらう
- 声に出して読み、文章の流れを確認
- 字は万年筆でゆっくり丁寧に清書
よくある願書の失敗例と改善策

願書作成で避けるべき典型的な失敗例と、それに対する改善策を紹介します。
失敗1:「借りてきた言葉」で書く
一般的な表現ばかりでオリジナリティがないと評価が下がる傾向があります。
失敗2:「子どもの成績」を過剰にアピール
学力至上主義に見られがちで、過程や思考力を重視する学校には不向きです。
失敗3:「親の自慢」になってしまう
親の学歴や経歴を前面に出すと、子ども中心の願書としては不適切とされる場合があります。
失敗4:「完璧な子ども像」を描写する
理想的すぎる描写は親の観察力が疑われることがあります。
願書から面接までの流れと準備
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願書完成後は家族で内容を共有し、面接準備をしっかり行うことが大切です。
- 家族で願書を読み合わせ、親子で内容を共有する
- 願書に書いた内容について「なぜ?」と5回以上問い返す練習をする
- 親同士で答え合わせをして矛盾がないか確認する
2027年度からの変化:オンライン願書の注意点

オンライン願書の導入に伴い、提出方法や文字数制限などに注意が必要です。
- 文字数制限が厳しく、紙の願書より20~30%短くまとめる必要がある
- 送信前に画面のスクリーンショットを3枚以上保存し、提出完了メールを控えとして保管する
- スマートフォンでの表示確認を行い、句読点や改行が正しく表示されているかチェックする

