お受験ラボ編集部です。小学校受験に臨むあなたにとって、願書は単なる書類以上の意味を持ちます。願書は親の教育観や家庭の品格、そして志望校への理解度を示す重要な審査資料です。私も多くの受験生家庭を見てきましたが、願書の記述内容だけで不合格になるケースが少なくありません。この記事は、願書でつまずきやすいポイントを整理し、あなたが合格を引き寄せるための具体的な対策をお伝えします。
1.願書で不合格となる家庭に共通する3つのポイント
願書の記述で学校の期待に応えられず不合格となる家庭には、次のような共通点があります。
1-1.学校の理念に対する理解不足
最も致命的なのは、志望校の教育理念や校風を深く理解していないことです。例えば、自由な校風の学校に「規律を重んじて厳しく指導してほしい」と書いたり、一貫校に「将来的には中学受験も考えています」と記述したりすると、学校の求める人物像とズレが生じます。多くの場合、説明会や学校案内を表面的にしか見ておらず、「なぜこの学校でなければならないのか」という独自の理由が明確でないことが原因です。
1-2.親の自己中心的な教育観が透けて見える
学校は家庭が教育方針に協力し、社会に貢献できる人材を育てることを望んでいます。願書に親のエゴや自己満足が強く出過ぎると、学校は「この家庭は教育方針が合わない」と判断します。例えば、子どもの将来の成功ばかりを強調したり、「わが子を特別扱いしてほしい」といった要求が感じられる記述はマイナス評価につながります。これは、学校が子どもに何をしてくれるかばかりに目が向き、家庭が学校にどう貢献できるかという視点が欠けているためです。
1-3.文章力やマナーの欠如
内容以前に、誤字脱字や敬語の誤用、字の乱雑さ、修正液の使用など、形式面でのミスも共通しています。願書の重要性を理解せず、丁寧さや品位に欠けると、親の教養や常識が疑われる原因となります。
2.願書で絶対に避けるべきNGワード10選
学校側が「この家庭は入学後にトラブルを起こす可能性がある」「教育方針が合わない」と判断する具体的なNGワードやフレーズを紹介します。
| No. | NGワード・フレーズ | 学校が抱く懸念 |
|---|---|---|
| 1 | 将来は御三家/有名中学へ | 一貫校では中学受験による退学や学校不信の原因になる |
| 2 | 先生にしっかり厳しく指導してほしい | 自由な校風の学校では理念不一致、過干渉な親と判断される |
| 3 | 特にありません/わかりません | 質問への回答放棄で学校への関心の低さを示す |
| 4 | 私(親)は〇〇が苦手なので… | 責任転嫁やネガティブな印象を与える |
| 5 | わが子のリーダーシップを伸ばす | 協調性重視の学校では自己中心的な印象に(協調性も併記が必要) |
| 6 | 友達と喧嘩をしない、優しすぎる | 問題回避能力や粘り強さがないと判断される |
| 7 | 貴校の偏差値の高さに魅力を感じ | ブランドや学力だけに興味があり、教育理念を理解していないと見なされる |
| 8 | 塾の先生の指導で改善中です | 家庭の教育方針ではなく他人に依存している姿勢を示す |
| 9 | とにかく〇〇(職業名)になってほしい | 親のエゴが強く、子どもの個性を尊重しない家庭と見なされる |
| 10 | 御校の… | 願書での敬語マナー違反として評価を下げる |
3.合格を引き寄せるための願書作成で意識すべきこと
不合格となる家庭の共通点を踏まえ、合格を勝ち取るために親が持つべき意識を3つ挙げます。
3-1.「なぜ、この学校でなければならないのか」を明確にする
志望理由を書く際は、その学校独自の教育活動や校風に触れ、他校では得られない価値を具体的に示しましょう。これにより、学校への理解度の深さが伝わります。
3-2.家庭教育の実行力と一貫性を示す
「わが家の教育方針は〇〇です。それは普段の△△という具体的な活動で実践され、その結果、子どもは□□という成長を遂げました」といった具体例を交えて記述し、家庭の実行力をアピールしましょう。
3-3.学校への貢献姿勢を示す
「入学後は貴校の〇〇活動に積極的に協力し、学校生活を支えていく所存です」といった、保護者としての貢献意欲を明確に伝えることも大切です。
4.願書は親の品格と常識を示す大切な書類
願書で落ちる家庭は、単に文章力が低いのではなく、学校の理念に対する理解不足、自己中心的な教育観、そしてマナーの欠如という共通点があります。願書は親の品格と常識を審査する文書です。今回紹介したNGワードを避け、学校への深い敬意と理念に合った家庭の教育方針を誠実に記述することが、合格への扉を開く鍵となります。
あなたとお子さんが、自信を持って願書作成に取り組み、納得できる受験を迎えられることを心から願っています。

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