こんにちは。お受験ラボ編集部です。今回は、洗足学園小学校の進学実績や中学受験に向けたサポート体制、さらに内部進学の実態について詳しくご紹介します。公式資料や受験情報サイトのデータをもとに、私の経験も交えてわかりやすく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
最新版|洗足学園小学校の進学実績(男女別の概況)
洗足学園小学校は公式サイトで、卒業生の中学受験合格校一覧を年度ごとに公開しています。直近のデータを見ると、男女ともに首都圏の最難関校がずらりと並び、難関中学受験に強い小学校として知られています。
過去十数年分の傾向をまとめると、学年規模は男女合わせて約80〜90名で、中学受験へのチャレンジ率はほぼ全員にのぼります。進学先は男子が首都圏の男子御三家や難関校、女子は女子御三家や難関共学校、そして系列の洗足学園中学校が中心です。
特徴的なのは、上位数名だけが難関校に合格するのではなく、学年全体の学力が底上げされている点です。
男子の主な進学先(過去十数年の傾向)
男子は内部進学のルートがなく、全員が外部中学受験に挑みます。過去の実績を見ると、開成中学校や麻布中学校、武蔵中学校、筑波大学附属駒場中学校などの御三家・最難関校への合格者が多数います。
また、聖光学院中学校や栄光学園中学校、駒場東邦中学校などの難関進学校への進学も安定しています。ある年度では、男子40名台の卒業生のうち、開成・筑駒合格者が10名近くにのぼることもあり、「上位半数は御三家〜早慶附属レベル」と評価されることもあります。
女子の主な進学先と洗足学園中学への内部進学率
女子は外部中学受験と系列の洗足学園中学校への内部進学という二つの進路があります。外部受験先としては桜蔭中学校や女子学院中学校、雙葉中学校、豊島岡女子学園中学校などの女子御三家や難関女子校が挙げられます。
また、渋谷教育学園渋谷中学校や渋谷教育学園幕張中学校、広尾学園中学校などの共学校も人気です。内部進学率の公式な数値は公開されていませんが、一定の成績基準を満たした女子には洗足学園中学校への内部進学の道が開かれています。
保護者の声や学校の説明からは、内部進学だけを目的にするよりも、外部受験でさらに上位の学校を目指す文化が強いことがうかがえます。学校側も外部受験を推奨する姿勢があり、内部進学はあくまで選択肢の一つと考えるのが現実的です。
なぜ進学実績が良いのか?学校のサポート体制
洗足学園小学校の進学実績は全国トップクラスですが、学校は「有名中学合格のための受験指導」を前面に出していません。公式サイトの進路指導ページでは、「幸福な進路選択の支援」や「情報提供と進路相談の充実」を掲げ、特定中学校への合格指導を強調しない方針です。
しかし、実際のカリキュラムや学校行事を見ると、中学受験に強い土台がしっかり築かれていることがわかります。
通塾率は高いが、学校との両立を重視した設計
具体的な通塾率は公表されていませんが、進学先の顔ぶれから多くの家庭がサピックスなどの大手塾や中堅塾に通っていることは間違いありません。
一方で、校長インタビューや外部メディアの紹介では、「塾に任せきりにせず、学校の授業と家庭学習で基礎を固める」という方針が繰り返し語られています。
算数は毎日授業があり、6年生の2学期途中までに教科書範囲を終え、その後は入試レベルの問題演習に時間を割きます。さらに、3年生からは外部模試を学校会場で受験し、テスト慣れと振り返りを重視しています。
このように、学校の授業で基礎と応用の骨格を固め、塾では志望校別の過去問演習に集中できる環境が整っています。
独自カリキュラムと「筆算検定」などの取り組み
洗足学園小学校の特徴的な取り組みの一つが、独自の「筆算能力検定(筆算検定)」です。1年生から6年生まで継続して取り組み、20級から始まる32段階の級・段位制度で計算力を鍛えます。
月に1回、5分間で40問前後のテストを行い、一定の得点で合格。上位には「名人コース」「超人コース」があり、最難関中学入試レベルの計算問題を短時間で処理する力が求められます。合格者は朝会で表彰され、上級生の姿が下級生のモチベーションにもつながっています。
この仕組みにより、計算の速さと正確さが学年を超えて可視化され、子どもたちが段位アップを目標に努力する文化が根付いています。中学受験に必要な計算力を低学年から自然に積み上げられるのが大きなメリットです。
国語では毎朝15分の読書タイムや読書記録ノート、日記と漢字練習、名文の暗唱など、積み上げ型の指導が行われており、読解力や語彙力の基礎をしっかり支えています。
このように、学校のカリキュラムは「受験指導」とは明言しませんが、中学受験に直結する基礎力を着実に育てる内容になっています。
英語教育とオーケストラ活動の魅力
洗足学園小学校の魅力は学力だけでなく、芸術や言語、情操教育のバランスが取れている点にあります。
英語教育
低学年から英語活動を導入し、ネイティブ教員や専科担当による授業を実施。中高の英語教育と連携したカリキュラムで、中学以降の学びにつながる基礎作りがなされています。
中学受験で英語を課す学校が増える中、洗足学園の英語教育は将来を見据えた土台として機能しています。
オーケストラ活動
音楽大学を附属に持つ伝統校ならではの特色として、小学校でもオーケストラ活動が盛んです。希望者はほぼ全員参加でき、学内行事だけでなく外部ホールでの本格的な演奏会も経験できます。
合奏を通じて集中力や協調性、責任感が育まれ、中学受験で評価される「粘り強さ」や「人前での度胸」といった非認知能力の基盤にもなっています。
系列中学への内部進学を選ぶメリット・デメリット
保護者の関心が高い洗足学園中学校への内部進学について、メリットと注意点を整理します。
メリット
- 学校文化や友人関係の連続性が保たれ、小学校で築いた環境の延長で学べるため、環境変化によるストレスが少ない。
- 系列中高の進学実績が安定しており、国公立大学や難関私大、東京大学など最難関大学への合格者も多数輩出している。
- 女子校ならではの環境で、思春期以降じっくり学ばせたい家庭には相性が良い。
デメリット(注意点)
- 内部進学は自動的に保証されるわけではなく、一定の成績基準を満たす必要がある。
- 多くの家庭が外部最難関校を第一志望としており、内部進学はあくまで選択肢の一つ。内部進学だけを期待すると学校や周囲との温度差が生まれやすい。
- ほぼ全員が中学受験に取り組む文化の中で学ぶため、小学校時代ののびのびとしたイメージとは異なり、学習負担は決して軽くない。
まとめ
- 洗足学園小学校の進学実績は男女ともに首都圏最難関レベルの中学校が並び、全国トップクラスの水準。
- 男子は全員外部受験、女子も基本的に外部受験に取り組みつつ、一定の成績を満たした女子には内部進学の道が開かれている。
- 学校は名目上「受験指導」を掲げないが、筆算検定や読書指導、外部模試の校内実施など、中学受験に直結する仕組みが緻密に設計されている。
- 英語教育やオーケストラ活動など、学力と情操教育のバランスを重視している点が大きな特徴。
- 内部進学は「保険」ではなく、ハイレベルな外部受験の中で選択肢の一つとして位置づけられている。
- 洗足学園小学校を検討するなら、中学受験に本気で向き合う覚悟があるかどうかが、学校との相性を見極める重要なポイントになる。


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