3歳の段階でいわゆる“受験勉強”は必要ありません。
この時期に大切なのは、「生活」「会話」「遊び」の3つの要素だけです。
この時期は、点数を追いかけるよりも
“脳の土台づくり”“心の安定”“生活の自立”
をじっくり育てることが、後の受験力につながります。
私がこれまで500家庭以上を見てきた経験からも、
年中・年長でぐんと伸びるお子さんは、必ずと言っていいほど
“3歳の時期がしっかり整っている”のです。
ここでは、3歳で押さえておきたい最低限のポイントを、
わかりやすくまとめてお伝えします。
■ 3歳で大切にしたい3つの柱
① 好奇心を育てる
② 会話の量を増やす
③ 生活習慣を整える
この3つがあれば十分です。
逆に、この3つをおろそかにすると、後々必ず苦労が出てきます。
【1】好奇心を育てる|学びの土台をつくる
3歳のお子さんが最も伸びる瞬間は、
何かに興味を持ったその瞬間です。
- 触ってみる
- じっくり見る
- 匂いをかぐ
- 話しかける
- 体を動かす
五感を使った体験を増やすことで、
観察力や分類力、推理力の基礎が自然と育まれていきます。
■ 家庭でできる好奇心アップの遊び例
- 葉っぱや石、どんぐりをじっくり観察する
- キッチンの野菜に触れてみる
- 公園で「同じもの探し」のゲームをする
- 色や形、大きさで分類する遊びを取り入れる
これらはすべて、後のペーパー試験で問われる記憶力や観察力、比較力の基礎になります。
【2】会話量を増やす|言葉と理解力の基礎づくり
小学校受験で欠かせない言語力や説明力は、
3歳の家庭での会話量が大きく影響します。
特別な難しい言葉は必要ありません。
丁寧に話すことが何より大切です。
■ 3歳で意識したい会話のポイント3つ
- 子どもの「なぜ?」にしっかり答える
- 自分の言葉で話す練習を促す
- できるだけ丁寧な言葉遣いで返す
■ 日常生活で自然に会話力を伸ばす方法
- 買い物中に「どれが大きい?小さい?」と質問する
- お風呂で「お湯は熱い?ぬるい?」と話しかける
- 食事中に「どれが甘い?苦い?柔らかい?」と味覚を言葉にする
こうした日々の会話が、語彙力や推理力、説明力の土台を作ります。
【3】生活習慣を整える|姿勢・集中力・自立心を育む
3歳で整えておきたい生活習慣は以下の通りです。
■ ① 早寝早起き
→ 脳の発達を促し、情緒の安定にもつながります。
■ ② 食事のリズム
→ 本番での集中力や持久力を育てます。
■ ③ 掃除や片付けの習慣
→ 行動観察で評価される自立心の基礎になります。
■ ④ 椅子に短時間座る練習
→ 3〜5分程度で十分。長時間は逆効果です。
3歳のうちに生活の基盤が整っているお子さんは、
年中になると必ず伸びるポイントが訪れます。
【3歳は受験準備の“土台づくり”の時期】
この時期に大切なのは、
楽しさ・会話・生活の安定です。
決して“早期学習”を急ぐ必要はありません。
【4歳】年中で差がつく9つの習慣|家庭での基礎固め
年中は「伸びるかどうかの分岐点」です。
この時期に習慣が整っている家庭は、
年長での安定した成長が期待できます。
反対に、この時期に乱れがあると、
年長で伸び悩むことが多いのも事実です。
■ 年中で整えたい9つの家庭習慣
① 早寝早起き(生活の土台)
② 外遊び(体幹と心の安定)
③ 椅子に座る時間の習慣
④ 語彙を増やす会話
⑤ お手伝い(自立心の育成)
⑥ 模倣遊び(制作や図形の基礎)
⑦ 約束を守る練習
⑧ 絵本の読み聞かせ
⑨ 家庭の空気の安定
特に⑨は非常に重要です。
家庭の雰囲気が安定していれば、
どの塾に通っても成績が安定する傾向があります。
■ 年中の学習時間は1日10〜20分で十分
長時間の学習は疲れて嫌いになる原因に。
短時間で高い集中力を保ち、毎日続けることが大切です。
【5歳】年長の過ごし方|直前期に伸びる家庭の共通点
年長は「成果を出す年」。
この時期に伸びる家庭には3つの共通点があります。
■ 年長家庭の3つの鉄則
① 復習の時間帯を決めて固定する
「毎日〇時にやる」ことが習慣化と安定につながります。
② 役割分担を明確にする
- 片親が送迎を担当
- もう片親が復習を担当
- 祖父母がサポート役
この体制が整っている家庭は、受験期の負担が分散され、崩れにくいです。
③ 親のメンタルを安定させる
直前期に親が焦ると、子どもも不安定になります。
受験で最も強い家庭は、
どの時期も家庭の空気が穏やかです。
【年長夏からの逆転は可能か?成功例と条件】
結論から言うと、逆転は可能です。
ただし、いくつかの条件があります。
■ 逆転成功のための条件
- 弱点を1つに絞り込む
- 家庭内のストレスを徹底的に排除する
- 志望校の傾向に100%合わせる
- 外部のサポートは必要最小限にとどめる
- 直前期に「やらないこと」を明確に決める
年長の夏以降に伸びるお子さんは、
方向性が正しくなった瞬間に一気に成長します。
【語彙力を伸ばす家庭習慣|毎日5分の実践メニュー】
語彙力は、
日々の会話の積み重ねでしか伸びません。
■ 毎日5分でできる語彙力アップメニュー
- 今日見たものを3つ説明してもらう
- その理由もセットで聞く
- 読んでいる本の中の知らない言葉を1つ解説する
- 食事中に味や形、大きさを言葉にしてみる
語彙力は、
行動観察・面接・ペーパー試験すべての基礎となります。


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