外部教室は、
“子どもの弱点を補う場所”であって、“能力を伸ばす場所”ではありません。
この考えを理解しているご家庭ほど、
費用を抑えつつ安定した成果を得やすいのです。
私自身、500家庭以上の小学校受験を支援してきましたが、
外部教室を上手に活用しているご家庭は、
直前期に子どもの調子が崩れることがほとんどありません。
一方で、使い方を誤ると、
無駄に忙しくなり子どもが疲れてしまい、成績も伸び悩む結果になりがちです。
この記事では、
体操・絵画・制作の外部教室が「必要な子」と「不要な子」を、
最短で見極めるためのポイントだけに絞って解説します。
■ まず結論:外部教室の必要性は子どものタイプで判断する
以下の条件に当てはまるお子さんは外部教室が効果的です。
当てはまらない場合は無理に通う必要はありません。
とてもシンプルな基準です。
【1】体操教室が必要な子の特徴
体操は小学校受験の合否を左右する重要な科目です。
外部教室が必要かどうかは、次の3つのポイントで判断します。
■ ① 姿勢が崩れやすい
- 椅子に座るとすぐにだらっとしてしまう
- 指示を聞いても姿勢を維持できない
姿勢が崩れると本番での集中力も落ちます。
体幹を鍛えることで大きく改善が期待できます。
■ ② 集団行動でペースが乱れやすい
- 周囲の動きに合わせられない
- 切り替えが遅い
- 待つのが苦手
体操教室は集団行動のリズムや協調性を養うのに適しています。
■ ③ 指示の理解が苦手
運動は「聞く→理解する→動く」の連続です。
ここでつまずく子は本番でミスが増えるため、早めの補強が効果的です。
■ 逆に体操が不要な子の特徴
- 姿勢が安定している
- 動作が滑らかである
- 指示の入りが良い
- 運動が得意
このようなお子さんは、塾内の体操指導だけで十分対応可能です。
【2】絵画教室が必要な子の特徴
絵画は技術よりも「考え方」を評価されます。
必要かどうかは以下のポイントで判断してください。
■ ① 手順の整理が苦手
- 何から描き始めればよいか迷う
- 細部にこだわりすぎて時間が足りなくなる
絵画教室では「手順」と「構図」のトレーニングを行います。
この部分が弱い子は伸びしろが大きいです。
■ ② モチーフの特徴を捉えるのが苦手
- 人物がみな同じ形に見える
- 動物が棒状に描かれがち
観察力が弱いと得点が伸びにくいですが、短期間で改善しやすい領域です。
■ ③ 道具の扱いが不器用
- はさみの扱いが苦手
- クレヨンや絵具の筆圧が均一でない
- 紙が破れやすい
巧緻性の不足が原因の場合が多く、絵画と巧緻性トレーニングのセットが効果的です。
■ 絵画が不要な子の特徴
- 絵を描くことが好き
- 細部まで丁寧に描ける
- 時間内に仕上げられる
- モチーフの特徴をしっかり捉えられる
こうしたお子さんは、塾の授業だけで十分に対応可能です。
【3】制作教室が必要な子の特徴
制作では、
“試行錯誤ができるか”
そして
“手順通りに作業できるか”が重要視されます。
外部教室が必要な子は、次のようなタイプです。
■ ① 手順を覚えるのが苦手
- 「① → ② → ③」の流れが頭に残らない
- 説明の途中で忘れてしまう
制作はワーキングメモリーの力が問われるため、苦手な子は早めの補強が効果的です。
■ ② 空間把握が弱い
- 長さの調整が苦手
- 折り目の位置がずれる
- 左右対称が崩れやすい
空間認知力は慣れで伸びやすいため、外部の制作教室は非常に効果的です。
■ ③ 道具の扱いが不安定
- はさみが曲がってしまう
- のりの量が多すぎたり少なすぎたりする
- 作業スピードが遅い
巧緻性の基礎が弱い子は、制作の指示でミスが出やすいため、外部教室での補強が有効です。
■ 制作が不要な子の特徴
- 説明を正確に覚えられる
- 自然に試行錯誤ができる
- 作品に明確な目的意識がある
- 手先が器用
このようなお子さんは、外部教室に通わなくても問題ありません。
■ 【外部教室は短期集中で利用するのが最も効果的】
成功しているご家庭の多くは、外部教室を
「月1〜3回」「2〜3ヶ月間」だけ利用しています。
長期間通うと、次のようなデメリットが出やすいです。
- 慣れて伸び悩む
- スケジュールが過密になる
- 本番前に疲れてしまう
- 費用がかさむ
- 家庭でのフォローが追いつかなくなる
外部教室は長期継続が逆効果になることも多いため、短期集中での利用をおすすめします。
■ 【外部教室が必要か判断する最終チェックリスト】
以下の項目がすべて「はい」なら外部教室は必要です。
1つでも「いいえ」があれば、無理に通う必要はありません。
□ 志望校の出題内容に該当するか?
□ 子ども自身が苦手意識を持っているか?
□ 家庭での練習だけでは改善が難しいか?
□ 短期間で集中して取り組む体力があるか?
□ 外部教室の指導スタイルが子どもに合っているか?
この5つが揃えば、外部教室は強力なサポートになります。
■ 結論:外部教室は必要な子にとっては最短の武器、不要な子には負担になる
体操・絵画・制作は、
子どものタイプによって効果が大きく異なる科目です。
必要な子だけを見極めて短期集中で補強し、
不要な子は家庭の負担を増やさず塾の授業で完結させることが、
直前期の伸びを左右する大切なポイントです。


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