こんにちは。お受験ラボ編集部です。
私は15年間、小学校受験専門の塾で子どもたちと向き合ってきました。
「そろそろ塾を探した方がいいでしょうか?」
「どの塾が一番合っていますか?」
そんなご相談を毎年多くいただきます。
ですが、私がいつもお伝えしているのは、
「塾選びの前に、まずは家庭での習慣を整えましょう」ということです。
なぜなら、塾のカリキュラム以上に、家庭での過ごし方が子どもの成長に大きな影響を与えるからです。
この記事では、私の現場経験をもとに、
「塾に通う前に家庭で取り組んでほしい3つの習慣」だけを厳選してお伝えします。
難しい教材や高価な知育グッズは必要ありません。
今日からすぐに始められるシンプルな習慣ばかりです。
なぜ塾よりも「家庭の習慣」が大切なのか
同じ塾、同じクラス、同じ教材を使っていても、伸びる子とそうでない子がはっきり分かれます。
その差は才能や塾の質ではなく、
- 家庭でどんな言葉をかけられているか
- どんな生活リズムで過ごしているか
- どれだけ「話を聞いてもらっているか」
にあります。
家庭での土台が整わないまま塾に通うと、
- 指示が聞けない
- 集中力が続かない
- すぐにあきらめてしまう
- 注意されることが増え、自信を失う
といった悪循環に陥りやすいのです。
逆に、塾に通う前から家庭の土台がしっかりできている子は、
どの教室に通っても着実に伸びていきます。
プロがすすめる“家庭で始める3つの習慣”
ここからは、15年間の指導経験から「これだけやっていただければ十分」と自信を持っておすすめできる3つの習慣をご紹介します。
どれも今日から無理なく始められるものばかりです。
1つ目の習慣:1日10分の「親子対話タイム」
まず整えたいのは、勉強ではなく「会話」の時間です。
ポイントは、親が教える時間ではなく、子どもが話す時間をつくること。
おすすめは毎日決まった時間に、
- 今日あったことを3つ話してもらう
- 楽しかったこと、困ったこと、頑張ったことをそれぞれ1つずつ話す
- 親は否定やアドバイスを急がず、最後までじっくり聞く
というシンプルなルールです。
この習慣だけで、
- 語彙力
- 表現力
- 話を順序立てる力
- 自分の気持ちを言葉にする力
が自然に育っていきます。
小学校受験の面接や行動観察で評価されるのは、
「きちんとした日本語で話せるか」以前に、
「日頃から大人と丁寧に会話することに慣れているか」です。
ですから、塾に通う前にぜひ家庭でこの土台を作ってあげてください。
2つ目の習慣:1日15分の「読み聞かせとちょっとした対話」
次に大切なのは、読み聞かせの時間です。
ただ読むだけでなく、読み終わった後に少しだけ会話を加えましょう。
- 「どの場面が好きだった?」
- 「この登場人物はどんな気持ちだったと思う?」
- 「もし自分だったらどうする?」
問い詰めるのではなく、感想を一緒に楽しむイメージで行います。
この習慣によって、
- 聞く力
- お話の記憶力
- 登場人物の気持ちを想像する力
- 自分の考えを言葉にする力
が育ちます。
これはペーパー試験の記憶問題や面接での受け答えに直結する力です。
高価な教材を買うよりも、1冊の絵本を繰り返し読みながら親子で感想をやりとりする方が、はるかに深い学びになります。
3つ目の習慣:「毎日続ける小さなお手伝い」
最後におすすめしたいのは「お手伝い」です。
例えば、
- 食器を運ぶ
- テーブルを拭く
- 洗濯物をたたむ
- 保育園や幼稚園の持ち物を自分で準備する
など、年齢に合ったものを毎日1つ決めて「あなたの役割」としてお願いしましょう。
この習慣で育つのは、
- 責任感
- 自立心
- 手先の器用さ
- 段取り力
- 最後までやり切る粘り強さ
といった、受験だけでなくその後の人生にも必要な力です。
お手伝いを通じて、
- 「役に立てた」という自己肯定感
- 「自分にもできることがある」という自信
が自然に育まれます。
これはどんな問題集にも書かれていない、家庭でしか育てられない大切な力です。
やってはいけない“3つの落とし穴”
この3つの習慣を始める際に、ぜひ気をつけてほしいポイントもあります。
- いきなり完璧を目指さない
- 子どもではなく「親の都合」で叱らない
- 他の子と比べない
習慣づくりは、きれいにスタートしなくても大丈夫です。
3日続いたら上出来、1回抜けてもまた戻ればいいだけです。
大切なのは、
- 家庭の空気がピリピリしていないか
- 子どもが安心して失敗できているか
この2点を意識することです。
塾選びは「家庭の3つの習慣」が回り始めてからで遅くない
よくいただく質問に、
「塾はいつから通わせた方がいいでしょうか?」があります。
私の考えは、家庭でこの3つの習慣がある程度回り始めてからで十分だということです。
具体的には、
- 話を最後まで聞ける
- 簡単な指示を守れる
- 机に向かうことに抵抗がない
この状態で塾に通い始めれば、子どもは「できた」「分かった」という成功体験を積みやすくなります。
その結果、自信を持って受験期を迎えられます。
反対に、家庭の土台が整わないまま塾を増やしても、子どもが疲れるだけで伸びにくいのが現実です。
まずは1週間、3つの習慣のうち1つだけ始めてみましょう
すべてを一度に始めようとすると、親も子も負担が大きくなります。
おすすめの進め方は、
- 今週は「親子対話タイム」だけ取り入れる
- 慣れてきたら「読み聞かせの一言感想」も加える
- 最後に「毎日のお手伝い」を1つ決めて増やす
というように、段階的に習慣を増やしていくことです。
これらの習慣は受験のためだけでなく、公立小学校や中学受験、その後の人生でも役立つ大切な土台となります。
おすすめ参考図書【家庭の習慣づくりと教育方針に悩む親御さんへ】
ここからは、小学校受験を考え始めたご家庭に向けて、
「塾選びの前に読んでほしい本」をピックアップしました。
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1. 受験前に読みたい“家庭教育の土台”の本
『小学校受験は家庭教育で決まる』
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『学力の経済学』
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3. 親子の会話・読み聞かせを充実させたい方へ
『子どもの話を「聞く」技術』
親子対話のポイントがわかる一冊。
ついダメ出ししてしまいがちな方におすすめです。
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4. 親の心を整えるための本
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イライラしがちな時に読みたい一冊。声かけを変えることで家庭の空気が大きく変わります。
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お受験ラボより。
塾選びや願書対策も大切ですが、
一番の土台は毎日の小さな生活習慣です。
今日から無理のない範囲で一つずつ取り組んでみてください。
それだけで、子どもの目の輝きは確実に変わっていきます。
また別のテーマでも、いつでもご相談をお待ちしています。

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