大学附属小学校の最大のメリットは、中学・高校・大学の受験に追われず、好きなことや体験にじっくり取り組めることです。一方で、内部進学には成績などの条件があり、進める学部も高校の成績で決まることが多いため、「入れば安心」ではありません。進路の幅や長く続く人間関係、費用も含めて考えましょう。
慶應義塾幼稚舎や早稲田実業学校初等部、青山学院初等部など、大学までの系列校がある小学校は、小学校受験の中でも特に人気があります。ただ、大学附属小学校を選ぶことは、6歳の時点で進路の大きな方向を決めることでもあります。
この記事では、大学附属小学校のメリットとデメリット、内部進学の実際、向いている家庭を紹介します。主な学校の卒業後の進路は私立小学校の卒業後の進路|大学附属校の内部進学の仕組みと3つのタイプで一覧にしています。
メリット・デメリットの早見表
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 受験に追われず、好きなことや体験に時間を使える | 進める大学・学部の選択肢が限られる |
| 大学の施設や、系列校ならではの行事・交流がある | 内部進学や学部選びには、成績の条件がある |
| 小学校から大学まで、一貫した教育方針で学べる | 同じ仲間と長く過ごすため、人間関係が固定しやすい |
| 長い付き合いの友人ができる | 学費が小学校から大学まで続く |
大学附属小学校のメリット
1. 受験に追われずに過ごせる
中学受験や大学受験のための勉強に時間をとられないため、スポーツや音楽、芸術、留学など、好きなことにじっくり取り組めます。学校でも、体験や探究を大切にした学びに力を入れているところが多くあります。
2. 一貫した教育と充実した環境
建学の精神にもとづく教育を、小学校から大学まで一貫して受けられます。大学と連携した授業や行事、系列校の施設を利用できる学校もあります。
3. 長く続く人間関係
小学校から大学まで同じ学校で過ごす仲間とは、卒業後も長い付き合いになることが多くあります。
大学附属小学校のデメリット
1. 進路の選択肢が限られる
系列大学にない学部(たとえば医学部がない大学の附属校で、医師を目指す場合など)に進みたいときは、外部の大学を受験することになります。系列大学の学部の構成は、小学校を選ぶ段階で確認しておきましょう。
2. 内部進学には成績の条件がある
系列の中学・高校へ進むときや、大学の学部を決めるときには、成績や生活面の基準があることが多くあります。「附属校に入れば安心」ではなく「一定の成績を保てば安心」と考え、学校の授業を大切にすることが欠かせません。
3. 人間関係が固定しやすい
長い年月を同じ仲間と過ごすため、関係がこじれたときに環境を変えにくい面があります。保護者同士の付き合いも長く続きます。
4. 学費が長く続く
小学校から大学まで、私立の学費が続きます。文部科学省の調査(令和5年度)では、私立小学校の学習費は年間約183万円です。6年間の学費は私立小学校の学費は6年間でいくら?主要校の初年度納入金と公立+中学受験の比較で紹介しています。
内部進学の実際
| 学校の例 | 中学への進学 | 大学への進学 |
|---|---|---|
| 慶應義塾幼稚舎 | 普通部・中等部・湘南藤沢中等部から選んで進学 | 高校から慶應義塾大学へ推薦で進む道がある |
| 早稲田実業学校初等部 | 条件を満たせば中等部へ | 高等部から早稲田大学へ9割以上が推薦で進学 |
| 青山学院初等部 | 推薦で中等部へ(例年約98%) | 高等部から青山学院大学への推薦制度がある |
| 学習院初等科 | ほとんどが中等科(男子)・女子中等科(女子)へ | 学習院大学への推薦制度があり、他大学へ進む生徒もいる |
系列大学へ進む割合や、推薦を受けたまま他大学を受験できるかどうかは、学校によって違います。学校説明会で確認しておきましょう。
大学附属小学校が向いている家庭
- その学校・大学の建学の精神に共感している
- 受験勉強より、スポーツや芸術など打ち込みたいことを大切にしたい
- 系列大学の学部の構成が、子どもの将来の選択肢として納得できる
- 小学校から大学までの学費の見通しが立っている
慎重に考えたい家庭
- 学校名だけで選び、教育方針をよく知らない
- 子どもの将来の進路(医学部など)が、系列大学にない学部に向いていそう
- 「入学すれば勉強しなくても大丈夫」と考えている
よくある質問
Q. 附属小学校に入ったあと、塾は必要ですか?
内部進学のために塾に通わない子どもも多くいます。ただ、内部進学の成績が気になる場合や、外部の学校を受験する場合は、塾を利用する家庭もあります。
Q. 附属小学校から中学受験をすることはできますか?
できます。ただし、外部の中学校を受験すると系列の中学校に進む権利がなくなる学校もあるため、事前に確認が必要です。詳しくは私立小学校から中学受験する場合|外部受験のケースと学校選びの確認ポイントで紹介しています。


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