MENU

早生まれの小学校受験は本当に不利?月齢考慮の実態と対策法を解説

早生まれの小学校受験は本当に不利?月齢考慮の実態と対策法を解説1

小学校受験の世界では、よく耳にする話があります。「早生まれ(1月〜3月生まれ)は不利で、合格者は4月〜6月生まればかり」というものです。

確かに、5歳児にとって1年の差は大きく、4月生まれの子が難なくこなせる運動や指示行動も、3月生まれの子には高い壁に感じられることがあります。しかし、私の経験から言うと、早生まれだから合格できないというのは誤解です。むしろ、早生まれの特性を理解し戦略を立てれば、それが逆に強みになることもあります。

この記事では、私立小学校が導入している「月齢考慮」の仕組みと、早生まれの子が小学校受験で勝つための具体的な対策についてお伝えします。


目次

1. 早生まれと4月生まれの「1年の差」はどれほどか?

年長の11月、試験本番の時点で、

  • 4月生まれの子は約6歳7ヶ月
  • 3月生まれの子は約5歳8ヶ月

この1年の差は、身体能力において大きな違いを生みます。

  • 運動能力: 走る速さやボールを投げる距離、片足立ちの安定感などに差が出ます。
  • 巧緻性: ハサミの使い方や紐結びなど、指先の細かな動きも成長段階が影響します。
  • 精神面: 集中力の持続や我慢強さにも違いが見られます。

同じ基準で評価すれば、早生まれの子が不利になるのは事実です。しかし、学校側もその点を理解し、適切な配慮を行っています。


2. 多くの私立小学校が採用する「月齢考慮」とは?

多くの私立小学校では、生まれ月による不公平を減らすために「月齢考慮」という制度を設けています。主に次の3つのパターンがあります。

① グループ分け入試(セパレート型)

最も公平性が高い方法です。

  • 方法: 受験者を生年月日順にグループ分けし、同じ月齢の子同士で試験を行います。例えば「4月〜7月生まれ」「8月〜11月生まれ」「12月〜3月生まれ」のグループに分ける形です。
  • メリット: 同じ月齢の子同士で競うため、身体能力の差が目立ちにくくなります。
  • 採用校例: 慶應義塾幼稚舎、早稲田実業、成蹊、桐朋、立教女学院など多数の学校がこの方式を採用しています。

② 点数補正(ハンディキャップ型)

試験は混合で行いますが、採点時に月齢に応じた補正を加えます。

  • 方法: 例えば、4月生まれの合格ラインが80点の場合、早生まれの子は70点で合格とする、または得点に係数をかけて調整する方法です。
  • 採用校例: 明確に公表している学校は少ないものの、国立小学校(筑波大学附属など)や一部の女子校で実施されていると言われています。

③ 考慮なし(ガチンコ型)

あえて月齢考慮を行わない学校もあります。

  • 考え方: 入学後のカリキュラムについていけるかを重視し、現時点での完成度を求めるためです。
  • 対策: このタイプの学校を志望する場合は、早生まれの子でも4月生まれ並みの完成度を目指す必要があり、準備を1年早める覚悟が必要です。

3. 早生まれの子が合格を勝ち取るための3つの戦略

具体的にどのような対策が効果的か、3つのポイントにまとめました。

戦略①:「聞く力」と「愛嬌」で差をつける

運動や巧緻性は身体の成長に左右されますが、「人の話をしっかり聞く姿勢」や「コミュニケーション能力」は月齢に関係なく育てられます。幼さが残る早生まれの子が、一生懸命に目を見て話を聞き、ハキハキと返事をする姿は、先生方に「懸命さ」や「伸びしろ」として好印象を与えます。できないことを隠すのではなく、努力する姿勢を磨くことが大切です。

戦略②:志望校の月齢考慮制度を必ず確認する

志望校がどのタイプの月齢考慮を採用しているかを調べましょう。特に「月齢別グループ分け」を行っている学校は、早生まれの子にとって適正な評価を受けやすい安全地帯です。併願校を組む際には、このタイプの学校を軸にすることをおすすめします。

戦略③:親の焦りを抑える

最も重要なのは、親御さん自身が焦らないことです。模試の偏差値は月齢考慮がされていない場合が多く、早生まれの子は低く出がちです。これを見て「うちの子は遅れている」と焦り、無理に詰め込むと子どもは勉強嫌いになってしまいます。「今はまだ蕾(つぼみ)。咲く時期が少し遅いだけ」と腹をくくり、他の子と比べないことが合格への近道です


4. 早生まれならではのメリットもある

入学後を見据えると、早生まれの子には独自の強みもあります。幼児期から自分よりできる子に囲まれて育つため、「人の話を聞いて真似をする力」や「負けん気」が育ちやすい傾向があります。身体的な成長が追いつく高学年あたりで、一気に成績が伸びる「後伸び」のパターンが多いのも特徴です。

まとめ

早生まれだからといって諦める必要はありません。ただし、4月生まれと同じペースで仕上げようとすると、親子ともに負担が大きくなります。

  • 月齢考慮のある学校を選ぶこと。
  • 焦らず、基礎となる「聞く力」を徹底的に育てること。
  • 幼さを「愛嬌」という武器に変えること。

これらの戦略を持てば、早生まれは決してハンデではありません。自信を持って受験に臨んでください。


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

お受験ラボ編集部です。
私たちは、首都圏の私立小学校受験を中心に、ご家庭の不安や疑問に寄り添いながら情報を届ける教育ライターチームです。

一部の記事には、幼児教育の現場経験が豊富な先生方の監修が入っていますが、
学校や試験内容は毎年大きく変化するため、すべての記事が常に最新の情報であるとは限りません。
その点だけ、あらかじめご理解いただければ幸いです。

最新動向の反映には努めつつ、
「今、保護者が本当に知りたいこと」を軸に、正確で実践的な情報の発信を続けています。

コメント

コメントする

目次