MENU

小学校受験の運動テスト・指示行動対策|得点差がつくポイントと練習法【2027年度版】

小学校受験の運動テスト・指示行動対策|得点差がつくポイントと練習法【2027年度版】1

お受験ラボ編集部の私です。今回は、小学校受験で得点差がつきやすい「運動テスト」と「指示行動」について詳しく解説します。多くの親御さんはペーパーテストに注力しがちですが、実は運動テストで合否が左右されるケースも少なくありません。この記事では、運動テストで何が評価されているのか、どのように対策すればよいのかを具体的なトレーニング方法とともにご紹介します。

目次

はじめに:運動テストで見られているのは「運動能力」ではなく「姿勢と態度」

小学校受験の運動テストに関して、よくある誤解があります。それは「運動が得意な子が合格する」という考えです。実際には、学校側が重視しているのは以下の3点です。

① 指示を正確に聞き取る力

② 指示通りに行動できるかどうか

③ できない時の対応力と諦めない姿勢

つまり、単に運動が得意なだけでなく、「指示をしっかり聞き、最後まで粘り強く取り組む子」が高く評価されるのです。


運動テストと指示行動の違いとは?

運動テストの特徴

  • 内容:身体を動かす基礎的な能力を測る
  • 評価ポイント:跳ぶ・投げる・バランスなどの基本的な運動能力
  • 形式:個別テスト(体育館やホールで実施)
  • 重視される点:できるかどうかよりも、指示を聞いて一生懸命取り組む姿勢

指示行動の特徴

  • 内容:複数の指示を聞き、それを正確に実行する力を測る
  • 評価ポイント:聞く力・理解力・実行力・判断力
  • 形式:個別または集団テスト
  • 重視される点:指示を正確に聞き、その通りに行動できるか

例:

  • 運動テスト:「ケンケンしてください」
  • 指示行動:「赤い線まで走ってから、ケンケンして、青い線でジャンプして、元の場所に戻ってください」

指示行動の方が複数の指示を同時に処理する力が求められます。


運動テストで必須の種目と自宅でできるトレーニング法

【基礎体力】ケンケン(片足跳び)

評価されるポイント:

  • バランス感覚
  • 疲れても続ける粘り強さ
  • 指示への集中力

自宅での練習方法:

  • 毎日5分程度、リビングなどで練習する
  • 最初は3回から始め、徐々に10回、往復20回へと増やす
  • 疲れても「もう1回」と声をかけて粘り強さを育てる

難易度を上げる工夫:

  • 床にテープで目印を貼り、その上でケンケンする
  • ケンケンしながら手を挙げるなど複合動作を加える

【基礎体力】スキップ・走る

評価されるポイント:

  • リズム感
  • 指示に対する反応速度

自宅での練習方法:

  • 週2~3回、公園で走ったりスキップしたりする
  • 音楽に合わせて体を動かし、リズム感を養う

【バランス感覚】平均台の上での動き

評価されるポイント:

  • バランス感覚
  • 慎重さと決断力のバランス

自宅での練習方法:

  • 畳の端や床にテープで線を引き、綱渡りの練習をする
  • 本来は塾の体操コースで習うが、自宅でも工夫次第で対応可能

【手眼協調】ボールの的当て

評価されるポイント:

  • 投げる力
  • 集中力と手と目の協調性

自宅での練習方法:

  • 壁に的を貼り、ボールを投げる練習を毎日5分行う
  • 距離や的の大きさを変えて難易度を調整する
  • 例えば、1メートルから3メートルの距離で的を小さくするなど段階的に対策

【手先の器用さ】ボール運び(スプーン使用)

評価されるポイント:

  • 手先の器用さ
  • バランス感覚

自宅での練習方法:

  • スプーンやお玉でピンポン玉を運ぶ練習をする
  • 障害物を避けながら運ぶなど難易度を調整する
  • 制限時間内に運べるかどうかのスピード感も評価される

【模倣能力】体操(先生の真似)

評価されるポイント:

  • 観察力
  • 運動の再現能力

自宅での練習方法:

  • 親が簡単な動作をして「真似してみてね」と声かけし、毎日練習する
  • 腕を上げる、しゃがむ、寝転ぶなど複合動作を加える

【全身運動】クマ歩き・クモ歩き

評価されるポイント:

  • 全身の運動能力
  • 指示の理解度

自宅での練習方法:

  • リビングでクマ歩き(手と足で進む)を練習する
  • 最初は5歩から始め、徐々に往復に増やす
  • テレビを見ながら親子で一緒に取り組むと楽しく続けられる

指示行動の対策は「聞く力」が鍵

指示行動で最も重要なのは「聞く力」です。運動能力が高くても、指示を聞き逃すと減点対象になります。

よくある出題パターン

基本型:「赤い線まで走ってください」

応用型:「赤い線まで走ってから、3回跳んで、元の場所に戻ってください」

複合型:「赤い線まで走ってから、3回跳んで、青い線でジャンプし、両手を挙げたまま元の場所に戻ってください」

複数指示を処理するコツ

親が日常生活の中で「複数の指示」を出す練習を繰り返すことが、最も効果的な対策です。

例:家庭での声かけ

  • 「靴下を脱いで、靴を脱いで、手を洗ってきてください」
  • 「おもちゃを片付けて、おやつを食べて、歯を磨いてください」

こうした「3つの指示を同時に処理する習慣」が、指示行動対策の基本となります。


学校別の運動テスト難易度と出題傾向

学校               難易度 重要度 頻出種目            特徴
慶應義塾幼稚舎           ⭐⭐⭐       中程度      基本体操、ケンケン          指示行動を重視
早稲田実業初等部         ⭐⭐⭐       中程度      複合運動、指示運動          複雑な指示が特徴
立教小学校               ⭐⭐⭐⭐      高い        平均台、バランス            男児教育のため運動重視
女子伝統校(東洋・聖心)  ⭐⭐         低い        基本体操                    優雅さ・姿勢を重視
学習院初等科             ⭐⭐⭐       中程度      基本体操、ケンケン          基本的な能力で十分
洗足学園小学校           ⭐⭐⭐⭐      高い        複合運動、指示行動          全分野バランス型

自宅で毎日できる運動トレーニング30パターン

Aグループ:基礎体力(毎日実施)

  1. ケンケン(片足跳び):10回 ×3セット
  2. スキップ:往復1回
  3. 腕立て伏せ(親子で):5回
  4. 腹筋(仰向けで上体起こし):10回
  5. しゃがみ込み:10回
  6. 階段上り(運動量調整):上り下り1往復
  7. ジャンプ(両足):10回
  8. ジャンプ(高く):5回
  9. 背伸び(つま先立ち):10秒キープ
  10. 前転(危険なため親のサポート必須):1回

Bグループ:バランス感覚(週3~4回)

  1. 綱渡り(床のテープの上で):往復1回
  2. 片足立ち:右足10秒、左足10秒
  3. つま先歩き(かかとを上げて):往復1回
  4. かかと歩き(爪先を上げて):往復1回
  5. 目を閉じて片足立ち:5秒
  6. ボール運び(スプーン使用):往復1回
  7. 平均台上でのしゃがみ:5回
  8. 平均台上での横歩き:往復1回
  9. 風呂場での滑らないマット上での片足立ち:左右各10秒

Cグループ:投擲・手眼協調(週2~3回)

  1. ボール投げ(的に向かって):10回
  2. バスケット投げ(カゴにボールを入れる):10回
  3. 壁当てボール:10回
  4. ボール的当て(的を小さくして):5回
  5. ボール投げ(遠く):5回
  6. ボール蹴り(サッカー):10回

Dグループ:模倣・複合動作(毎日)

  1. 親の真似をする(手を挙げる、しゃがむ):5パターン
  2. クマ歩き:往復1回
  3. クモ歩き:往復1回
  4. 両手を挙げながら歩く:往復1回
  5. 複合動作(走ってから3回跳ぶ):3回

よくある失敗例と改善策

❌ 失敗1:「運動が得意だから対策は不要」と考える

運動が得意な子が合格すると誤解しがちですが、実際には指示を聞き、粘り強く取り組む姿勢が評価されます。

✅ 改善策:

  • 得意な運動でも毎回指示をしっかり聞く習慣をつける
  • 塾の運動テストでも姿勢を意識させる

❌ 失敗2:「できない時にすぐ親が助ける」

子どもがケンケンで転んだ際にすぐ駆け寄るのは親心ですが、試験官からは過保護と見られます。

✅ 改善策:

  • 転んでも自分で起き上がるよう促す
  • 失敗を乗り越える経験を日常生活で積ませる

❌ 失敗3:「複数指示をまとめて言う習慣がない」

親が「靴を脱いで、手を洗ってきて」と言っても、子どもが一つだけしか実行しないことがあります。

✅ 改善策:

  • 毎日3つの指示を同時に出す声かけを習慣化する
  • 子どもが全て実行できたか確認する習慣をつける

❌ 失敗4:「待機時間の態度が悪い」

運動テストは個別形式が多く、待っている間の態度も評価対象です。騒いだり動き回ったりすると減点されます。

✅ 改善策:

  • 家庭で順番を待つ練習をする(兄弟の順番を待つ、駅で親の後について待つなど)
  • 待っている間は静かに周囲を観察する習慣をつける

親が見落としがちな運動テストのポイント

ポイント1:「服装」も評価される

試験当日の服装について、学校は以下の点を見ています。

  • 動きやすさ
  • 清潔感
  • 過度なアクセサリー(髪飾りや靴など)がないか

共働き家庭では当日の服装準備を忘れがちなので、朝に動きやすい服を用意してあげることが大切です。


ポイント2:「靴」の選び方

  • 本番では運動靴(スニーカー)が指定されることが多い
  • デザインが派手すぎると個性的すぎると見られる可能性がある
  • 黒・紺・白の無地スニーカーが無難

ポイント3:「待機時間の親のサポート」

試験直前の待機時間中、親ができることは限られています。

  • ❌ 「頑張ってね」と何度も励ますのはプレッシャーになることも
  • ✅ 「いつも通りやってみようね」と平常心を保たせる声かけが効果的

運動テスト・指示行動の勉強時間の目安

年中期

  • 週2~3回、各15分の運動トレーニング
  • 公園での外遊びを週2回以上取り入れる
  • 合計:週150~200分程度

年長期(秋までの期間)

  • 毎日15~20分の運動トレーニング
  • 公園での外遊びを週2回以上継続
  • 塾の体操コース(週1回、60分)を活用
  • 合計:週300~350分程度

年長期(秋から冬)

  • 毎日15~20分の運動トレーニングを継続
  • 塾の体操コース(週1回、60分)を続ける
  • 志望校の過去問を参考にした練習を取り入れる
  • 合計:週300~350分程度

まとめ:「運動テスト」は子どもの性格や生活力を測る試験

ペーパーテストが「知識」や「思考力」を測るのに対し、運動テストや指示行動は「その子の性格」や「親の関わり方」、「ストレスへの対応力」を見ています。

学校が本当に知りたいのは、聞く力があり、親の指導に素直に従い、失敗しても粘り強く頑張れる子です。これは小学校入学後に必要な生活スキルでもあります。

日々の生活の中で、親が複数の指示をしっかり与え、子どもが最後まで粘り強く取り組む習慣を育てることが、運動テスト・指示行動で高得点を取る最も確実な方法です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

お受験ラボ編集部です。
私たちは、首都圏の私立小学校受験を中心に、ご家庭の不安や疑問に寄り添いながら情報を届ける教育ライターチームです。

一部の記事には、幼児教育の現場経験が豊富な先生方の監修が入っていますが、
学校や試験内容は毎年大きく変化するため、すべての記事が常に最新の情報であるとは限りません。
その点だけ、あらかじめご理解いただければ幸いです。

最新動向の反映には努めつつ、
「今、保護者が本当に知りたいこと」を軸に、正確で実践的な情報の発信を続けています。

コメント

コメントする

目次