お受験ラボ編集部です。桐朋学園小学校の入試を控え、願書の書き方や試験当日の服装、行動観察の対策に不安を感じているあなたへ。私自身の経験をもとに、桐朋学園小学校の独特な入試形式に対応するための具体的なポイントをわかりやすくまとめました。願書の具体例や試験内容の詳細、当日の準備まで、合格に向けて押さえておきたい要点を丁寧に解説します。これからの準備にぜひお役立てください。
1.桐朋学園小学校の入試概要
桐朋学園小学校の入試は、ペーパーテストや面接を行わず、集団テストと願書の内容で合否が決まります。男女合わせて約68名(内部進学者含む)を募集し、試験は11月初旬の4日間のうち指定された1日に実施されます。
試験は15〜18人のグループで約90分間行われ、制作(工作)、行動観察、具体物を使った思考課題が中心です。保護者や子どもへの面接はありません。
出願はWeb上のミライコンパスを利用し、書類の郵送も必要です。合格発表もミライコンパス上で行われます。
2.試験内容の詳細と評価ポイント
桐朋学園小学校の考査は主に4つの分野に分かれています。伸芽会の分析をもとに、それぞれのポイントを紹介します。
2-1.制作・工作課題
はさみで切る、折る、貼る、結ぶ、通すなどの巧緻性と指示理解力を評価します。見本通りに作るだけでなく、最後に「自分なりの工夫」を加えることも求められます。
作品を使ったごっこ遊びや集団活動に発展することもあり、道具の扱い方や机の整理整頓、時間内に仕上げる要領も見られます。
2-2.行動観察
ルールのあるゲームやお祭りごっこ、チーム活動を通じて、以下の点が観察されます。
- ルールの理解や指示の聞き方
- 協調性や社会性(譲る、待つ、相談するなど)
- 参加意欲や粘り強さ
遊びの延長のような場面で、子どもの素の姿や人間性が見られます。
2-3.言語・指示行動
先生の話を最後まで落ち着いて聞き、その通りに体を動かすことが求められます。制作や片付けも指示通りに行います。複数条件の指示(例:「赤い紙を半分に折ってから、右上に貼りましょう」)も多く、聞く力や記憶力、論理性を行動で測る内容です。
2-4.数量・思考力
具体物を使って並べる、分ける、対応させるなどの課題が出されます。数の多少や長さ比べ、仲間分けレベルの思考力と手の動きを観察します。
3.合格に向けた対策のポイント
合格を目指すには、以下の4つの軸を意識した準備が大切です。
3-1.制作・巧緻性は日常生活での積み重ねが鍵
はさみ、のり、ホッチキス、セロハンテープ、ひも通し、結ぶ、輪ゴムをかける、折り紙など、生活の中で手先を使う機会を増やしましょう。時間を区切って「5分でここまで」という練習も効果的です。完成品の美しさよりも、手順の理解や片付け、姿勢に注意を払うことがポイントです。
3-2.行動観察は日常の遊びがそのまま反映される
公園や児童館、イベントなど、知らない子どもと遊ぶ機会を増やすことが重要です。家ではボードゲームやカードゲームを通じて順番を待つ、勝ち負けを受け入れる、ルール変更を相談するなどの経験を積みましょう。自然な我慢や配慮、気持ちの切り替えができるかが評価されます。
3-3.言語・数量は日常会話で育てる
買い物や料理の場面で「リンゴはいくつ?あと何個で5個になる?」といった質問を投げかけたり、「長いほう・短いほう」「多い・少ない」といった言葉を使わせたりしましょう。絵本の読み聞かせ後には「どこが楽しかった?」「主人公はどう思っていたかな?」と問いかけて、自分の言葉で説明する習慣をつけることが大切です。
3-4.自立・生活力の育成も忘れずに
上履きや外靴の履き替えを一人でスムーズにできるようにし、ハンカチやティッシュの管理、片付けや整列、待機の姿勢も日常生活で身につけましょう。
4.出願から合格発表までの流れ(ミライコンパス利用)
桐朋学園小学校はミライコンパス(miraicompass)を活用し、説明会予約、出願、合格発表までを一元管理しています。
4-1.説明会・見学会の予約方法
ミライコンパスの学校ページにアクセスし、アカウント登録を行います。イベント一覧から学校説明会や校舎見学会を選んで予約してください。受付票は自宅で印刷し、会場受付で提示します。
4-2.Web出願の手順
出願期間は例年10月1日から3日前後まで(年度によって変動あり)です。ミライコンパスの出願画面で志願者情報、保護者情報、通学経路などを入力し、クレジットカード等で受験料を決済します。出願完了メールが届き、マイページに「書類ダウンロード」ボタンが表示されます。
4-3.書類の郵送
マイページから志望動機書、写真票、受験票(学校提出用)をダウンロード・印刷し、所定の締切日(例年10月中旬必着)までに簡易書留で郵送します。志望動機書のフォーマットや設問内容、文字数は年度ごとの募集要項PDFで必ず最新のものを確認してください。
5.願書(志望動機書)の書き方のポイント
桐朋学園小学校は面接がないため、願書・志望動機書が「親の思いを伝える唯一の資料」となります。ここでしっかりとあなたの考えを伝えることが重要です。
5-1.基本構成例(1問〜2問の場合)
- なぜ桐朋学園小学校を選んだのか。教育目標や学校の特色への共感を具体的に書きます。例として自然豊かな環境、一貫教育、生活科、総合的な活動など。
- 説明会や見学会で感じた具体的なエピソードを盛り込みます。
- 家庭教育の方針とお子さまの姿を記述。自立、対話、読書、外遊びなど、日常のどんな場面に表れているか短いエピソードで示します。
- 入学後にどのように成長してほしいかを、学校の教育とつなげて書きます。「桐朋学園小学校だからこそ実現できる成長像」を描くことがポイントです。
5-2.書く際の注意点
- 立派な親像を描くより、等身大で具体的なエピソードを交えて書きましょう。
- 子どもの長所だけでなく、課題もどう支えているかを記述します。
- 他校にも使い回せるような汎用文は避け、桐朋学園小学校の教育内容や行事名、環境に触れることが大切です。
- 子どもの性格と学校の考査(行動観察・制作重視)が自然に合致していることが伝わると評価が高まります。
6.当日の服装と持ち物のポイント
6-1.子どもの服装
桐朋学園小学校の考査は行動観察と制作が中心のため、動きやすく清潔感のある服装が基本です。
男子の例:濃紺またはグレーの半ズボン、白シャツまたは白ポロシャツ、紺または黒のシンプルな靴、白〜薄色の無地ソックス。
女子の例:濃紺系のジャンパースカートまたはワンピース、白ブラウス、黒または紺のシンプルな靴。
ブランドロゴや派手な装飾は避け、桐朋学園小学校の制服写真を基準に一段控えめなイメージで準備すると安心です。
6-2.保護者の服装
父親は紺やグレー系のダークスーツにシンプルなネクタイ、母親は紺やグレー系のスーツまたはワンピースにジャケットが基本です。アクセサリーは最小限にし、ヘアスタイルも控えめに整えましょう。学校側は服装よりも落ち着きや表情、立ち居振る舞いを重視しています。
6-3.持ち物の基本
- 受験票
- 子ども用の上履きと靴袋
- 保護者用のスリッパ
- ハンカチ・ティッシュ(子どものポケットにも入れる)
- 必要に応じて替えのマスクや水筒など
上履きは白色で脱ぎ履きしやすいものが無難です。マジックテープやゴムタイプなど、子どもが一人で素早く扱える形を選び、事前に練習しておきましょう。
まとめ:桐朋学園小学校らしい対策のポイント
桐朋学園小学校の入試はペーパー試験や面接がなく、「願書」と「当日の姿勢」が合否を決める重要な要素です。対策の柱は、制作・巧緻性(生活レベルでの手先の器用さや道具の扱い)、行動観察(社会性や協調性、ルール意識)、そして日常会話で育てる言語・数量・思考力です。
出願はミライコンパスでのWeb出願と書類郵送が基本となります。願書は「なぜ桐朋学園小学校を選んだのか」と「家庭の教育方針や子どもの姿」を具体的なエピソードで結びつけて書くことが大切です。服装は清潔で動きやすく、控えめなスタイルを心がけましょう。
この基本方針を押さえておけば、模試や過去問題集、幼児教室での指導など、個別のノウハウも効果的に活用できます。あなたとお子さんが、自信を持って進める選択ができるよう願っています。


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