「お兄ちゃんの塾の送迎に下の子を連れて行くのが大変……」
「下の子の受験勉強に付き合っていたら、上の子が『僕のことはどうでもいいの?』と拗ねてしまった」
兄弟姉妹がいる家庭の小学校受験は、一人っ子の時よりも時間的にも精神的にも負担が増えます。物理的なスケジュール調整だけでなく、兄弟間の心のバランスを保つことが家庭の雰囲気を左右する大きなポイントです。
この記事では、兄弟がいる家庭ならではの「在校生有利説」の実態や、下の子の受験対策、そして上の子の心のケア方法について、私の経験をもとにお伝えします。
1. 兄弟枠(在校生有利)は本当にあるの?
結論から申し上げると、公式には兄弟枠はないものの、実質的に優遇されるケースが多いのが現状です。
- 学校側のメリット:親の教育方針や家庭環境が既に把握できているため、安心して入学を認めやすいという面があります。また、寄付金やバザーなどの協力も期待できるため、学校にとってもメリットがあります。
- ただし全員が合格するわけではない:兄弟がいるからといって油断すると、人気校や国立小学校では抽選や実力不足で不合格になることも普通にあります。
対策としては、「多少の加点はあっても、合格ラインに達していなければ落ちる」という認識を持ち、上の子の時と同じ熱量で準備を進めることが大切です。
2. 【パターンA】上の子が受験生で下の子が乳幼児の場合の工夫
上の子の塾や模試に下の子を連れて行く際、どうやって待ち時間を乗り切るかが大きな課題です。
対策①:待ち時間に役立つアイテムを用意する
塾の待合室や説明会で下の子が騒ぐと、親は非常に気を遣います。
- 音の出ないおもちゃ:シールブックや塗り絵、紐通しなど、静かに遊べるものを用意しましょう。
- 動画を活用するのもあり:普段は控えていても、待ち時間だけはタブレット(ヘッドホン必須)で動画を見せるのも親の精神衛生上必要な対策です。
対策②:シッターや祖父母への事前準備をする
本番の面接や考査日には、下の子を連れて行けないことが多いです。
- 直前に預け先が見つからず慌てないよう、春のうちからファミリーサポートやシッターに登録し、慣らし保育をしておくことをおすすめします。
- 「ママじゃなきゃダメ」と泣かれると、受験生の心にも影響が出るため、預ける環境に慣れさせておくことが重要です。
3. 【パターンB】下の子が受験生で上の子が小学生の場合の心のケア
この場合は、兄弟間の感情のすれ違いが大きな問題になります。下の子は「なんで私だけ遊べないの?」と感じ、上の子は「ママはずっと〇〇ちゃんばかり」と不満を抱きがちです。
上の子のケア:役割を与えて自尊心を育てる
上の子をただ放置せず、「コーチ役」に任命してみましょう。
- 「お兄ちゃん、この問題の解き方を教えてあげてくれる?」
- 「面接の練習相手になってくれる?」
上の子は頼られることで自尊心が満たされ、下の子もお兄ちゃんの言葉なら素直に聞くという良い循環が生まれます。また、「下の子が合格すれば同じ学校に通える」というメリットを共有し、家族全体でチームとして取り組む意識を持つことも効果的です。
「2人目あるある」の油断に注意
下の子は上の子の勉強を見て育つため、要領よく「なんとなくできてしまう」ことが多いです。しかしこれは落とし穴でもあります。
- 感覚で解いていて理屈が理解できていない
- 丁寧さに欠ける(字が汚い、塗り絵が雑)
親も「2人目は楽」と油断すると、夏以降の模試で成績が急降下することがあります。2人目こそ丁寧さを意識して見守ってあげてください。
4. 双子の受験はどう対応する?
双子の場合、学校によって対応が分かれます。
- 両方合格させる学校:家庭の負担を考慮してくれるケース。
- 片方だけ合格させる学校:実力主義や「双子は別々に自立させるべき」という方針を持つ学校もあります。
対策としては、学校説明会で双子の在籍状況を確認したり、在校生から情報を集めたりしましょう。また、もし片方だけ合格となった場合に備え、「二人で公立に進むのか」「別々の進路を選ぶのか」を夫婦で事前に話し合い、揉めないようにしておくことが大切です。
まとめ:小学校受験は家族みんなで乗り切る総力戦
兄弟がいる受験は確かに大変ですが、メリットもあります。上の子の受験を経験した下の子は、「勉強は当たり前の習慣」として受け止めやすく、また上の子が合格していれば学校の情報を熟知した状態で挑めます。
大切なのは、受験生以外の子どもを犠牲にしないことです。「みんなで〇〇ちゃんの合格パーティーをしよう!」と家族全員を巻き込む明るいイベントに変えることで、家庭の雰囲気も救われます。家族の協力と工夫で、兄弟姉妹の受験を乗り越えていきましょう。


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