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慶應義塾幼稚舎入試対策|願書・模倣体操・行動観察のポイントを詳解

慶應義塾幼稚舎入試対策|願書・模倣体操・行動観察のポイントを詳解1

お受験ラボ編集部です。慶應義塾幼稚舎の入試は、一般的なペーパーテストや保護者面接がないことで知られています。そのため、数字や点数で評価される部分が少なく、合否はより繊細で抽象的な要素で決まるのが特徴です。

だからこそ、対策は単純な暗記や一夜漬けでは通用しません。親子でじっくりと準備を進めることが合格への鍵となります。この記事では、合格を左右する重要な3つのポイント「願書」「模倣体操」「行動観察」を中心に、具体的な対策法をお伝えします。

目次

1. 願書対策:面接がないからこそ願書で親の想いをしっかり伝える

慶應義塾幼稚舎の入試で見落とされがちなのが願書です。保護者面接が原則行われないため、願書は親の教育方針や子どもの人柄を伝える唯一の手段となります。つまり、願書は「書類選考兼面接」の役割を担っています。

必読書『福翁自伝』を読み込む理由

願書の自由記入欄を書く前に、ぜひ創立者・福澤諭吉の自伝『福翁自伝』をじっくり読んでいただきたいと思います。幼稚舎は「独立自尊」の精神を重んじる学校ですから、家庭の教育方針がこの理念とどれだけ合致しているかが問われます。

  • 家庭の教育方針が福澤先生の教えとどう結びついているか
  • 『福翁自伝』のどの部分に共感し、子育てにどう活かしているか

これらを自分の言葉で熱意を持って、かつ論理的にまとめることが重要です。単なる憧れや表面的な言葉だけでは、願書を読む側の心に響きません。

願書の自由記入欄を効果的に活用する

願書には大きな自由記入欄が設けられていることが多く、ここに親の想いを凝縮して伝える必要があります。

  • 子どもの長所:具体的なエピソードを交えて書く(例:「優しい」ではなく「転んだ友人に○○した」など)
  • 家庭の教育方針:親がどのように子育てに関わり、何を大切にしているか
  • 幼稚舎を選んだ理由:なぜ他校ではなく幼稚舎でなければならないのか

限られたスペースでこれらを的確に表現するためには、親の文章力も問われます。何度も推敲し、熱意と誠実さが伝わる文章を目指しましょう。

2. 模倣体操対策:運動神経よりも「聞く力」と「修正力」が評価される

慶應義塾幼稚舎の入試で特徴的なのが「模倣体操」や「サーキット運動」です。運動能力がすべてではありませんが、一定の身体能力は求められます。ただし、ここで重視されているのは単なる運動神経ではありません。

先生の動きを正確に真似る「即時反応」と「修正力」

先生が示す複雑なポーズや動きを、その場で正確に真似することが求められます。評価されるポイントは次の通りです。

  • 観察力:先生の指先や足の向きまで細かく見ているか
  • 集中力:周囲の動きに惑わされず、先生だけを見続けられるか
  • 修正力:間違えた際に諦めず、すぐに正そうと努力するか

サーキット運動で評価されるポイント

走る、跳ぶ、くぐるなどの連続運動も課されますが、速さよりも「ルールを守る」「最後まで全力で取り組む」姿勢が重視されます。待機中にふざけたり、失敗した子を笑ったりするのはマイナス評価です。

幼稚舎の教育理念にある「獣身を成して(まずは健康な体を作る)」という考えのもと、子どもらしい元気さや明るさが求められています。

3. 行動観察対策:リーダーでなくても合格できる「フォロワーシップ」の大切さ

集団遊びや制作活動を通じて行われる行動観察では、多くの親御さんが「リーダーシップを発揮しなければ」と焦りがちですが、無理に仕切る必要はありません。

評価されるのは協調性と自主性です。

  • 協調性:自分の意見を持ちつつ、相手の話にも耳を傾けられるか
  • 思いやり:道具を独り占めせず、困っている子に声をかけられるか
  • 夢中になる力:課題に対して目を輝かせ、楽しんで取り組んでいるか

また、指示待ちの受動的な態度はマイナス評価になりやすいです。自ら遊びを見つけ、仲間と楽しむ自主性が合格のカギとなります。

4. 絵画・制作で問われる「発想力」と「後片付けの姿勢」

絵画や制作では、上手に描くことよりも「自分の言葉で描いた内容を説明できるか」が重視されます。

  • 課題例:「先生のお話を聞いて絵を描く」「廃材を使って自由に工作する」など
  • 対策:家庭で絵を描く際に「これは何?」「なぜこの色にしたの?」と質問し、子どもに説明させる練習が効果的です
  • 盲点:制作後の後片付けも試験の一環です。道具を大切に扱い、ゴミを拾うなど日常の躾がそのまま評価に反映されます

5. 合格に向けた年長の年間スケジュール例

入試本番が11月であることを踏まえた理想的な対策スケジュールを紹介します。

春(4月〜6月):基礎固め

  • 体操教室で基本的な体の動かし方を学ぶ
  • 親は『福翁自伝』を読み、願書の構想を練り始める

夏(7月〜8月):実体験を増やす

  • 海や山への旅行、キャンプなど、願書や子どもの質問で話せる原体験を積む
  • 夏期講習で集団行動に慣れる

秋(9月〜10月):仕上げと願書作成

  • 9月:願書を入手し、何度も推敲しながら清書する
  • 10月:体調管理を最優先し、模試で場慣れを図る

直前(11月):メンタルケア

「楽しんでおいで」と送り出す心の余裕を持つことが大切です。

まとめ:親子で取り組む「生き様」が問われる慶應義塾幼稚舎の入試

慶應義塾幼稚舎の入試は、ペーパーテストがない分、ごまかしが効かない厳しさがあります。しかし、やり方次第で合格は十分に狙えます。

  • 親は教育理念を深く理解し、覚悟を持って願書に向き合うこと
  • 子は日々の生活で「よく遊び、よく学び、よく動く」習慣を身につけること

この積み重ねこそが、合格への最も確かな道です。焦らず、親子でじっくり準備を進めていきましょう。

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この記事を書いた人

お受験ラボ編集部です。
私たちは、首都圏の私立小学校受験を中心に、ご家庭の不安や疑問に寄り添いながら情報を届ける教育ライターチームです。

一部の記事には、幼児教育の現場経験が豊富な先生方の監修が入っていますが、
学校や試験内容は毎年大きく変化するため、すべての記事が常に最新の情報であるとは限りません。
その点だけ、あらかじめご理解いただければ幸いです。

最新動向の反映には努めつつ、
「今、保護者が本当に知りたいこと」を軸に、正確で実践的な情報の発信を続けています。

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