小学校受験にかかる費用は、単に「総額がいくらか」ではなく、
“いつ、何に、どれだけ使うか”が重要なポイントです。
ここでは、年中から年長の2年間で実際にかかる費用を、
無駄を省き、効率的に理解できる形で詳しく解説します。
500家庭以上の経験から導き出した結論として、費用は大きく分けて
①通常通塾 ②外部教室 ③直前講習の3つの領域に分けると全体像が見えやすくなります。
■ まず押さえたいポイント:費用は年中より年長で大幅に増える
小学校受験の準備は、年中までは“準備期”として基礎を作る段階。
年長になると“勝負期”に入り、費用も大きく膨らみます。
目安としては次の通りです。
- 年中:40〜80万円
- 年長:70〜150万円
- 合計:120〜220万円(2年間)
もちろん、フルパックで250万円以上かける家庭もありますが、
合格している家庭の多くは120〜180万円の範囲内に収まっています。
【1】通常通塾(基礎を固める中心的な役割)
大手塾の通常授業は、費用の中で最も大きな割合を占めます。
■ 年中(基礎固めの時期)
- 月謝:1.5〜2.5万円
- 年間:約20〜35万円
- 教材費・維持費:+1〜3万円
この時期は、習慣づけや姿勢、指示理解を中心に進めます。
ペーパー学習は浅めなので、費用は比較的抑えられます。
■ 年長(本格的な受験対策の開始)
- 月謝:2.5〜4万円
- 年間:35〜50万円
- 模試やテスト費用:+3〜8万円
年長の春までは基礎固めを行い、夏以降は本番仕様に切り替わります。
この時期は難易度も費用も一段と上がるため、計画的な準備が必要です。
【2】外部教室(弱点補強に特化した短期利用が効果的)
外部教室は“弱点を短期間で修正するための補助的な場”です。
長期間通うよりも、必要な時に短期集中で利用するのが効率的です。
■ 外部教室で多い3つの分野と費用目安
① 体操・運動
- 月謝:7,000〜15,000円
- 年間:5〜15万円
姿勢やバランス、指示行動の向上に役立つため、年中後半から年長前半にかけて利用されることが多いです。
② 絵画・制作
- 月謝:7,000〜12,000円
- 年間:5〜12万円
制作の手順理解が弱いお子さんに効果的で、志望校の出題形式によっては必須となる場合もあります。
③ 巧緻性・行動観察
- 月謝:5,000〜15,000円
- 年間:5〜15万円
巧緻性や生活力が課題のお子さんには効果が大きいですが、頻繁に通う必要はありません。
■ 合格家庭に共通する外部教室の使い方
多くの合格家庭は、次の3つのルールを守って外部教室を活用しています。
- 弱点がある科目だけを最短期間で補強する
- 長期間の継続は避け、月1〜3回程度の利用にとどめる
- 志望校の出題形式に合わせて選ぶ
外部教室をすべて取り入れてしまうと、かえって成績が伸び悩むことがあります。
外部教室は“伸ばす”ためではなく、“直す”ための場所と心得てください。
【3】直前講習(夏から秋にかけての勝負期)
直前講習は、時期によって目的や使い方が異なります。
■ 夏期講習(7〜8月)
- 費用:20〜40万円
- 内容:基礎の総復習と広範囲の演習
夏はお子さんの伸びが最も期待できる時期です。
ここで差がつくことも多いでしょう。
ただし、講座を取りすぎるのは逆効果です。
志望校に合った講座と弱点補強に絞ることが大切です。
■ 秋〜直前期(9〜11月)
- 費用:10〜30万円
- 内容:過去問の出題形式に特化した演習や行動観察対策
秋以降は合格へ向けて一直線に進む時期です。
講座は「取るか取らないか」ではなく、
“自分の子どもに合うかどうか”で選ぶことが重要です。
迷いが多いほど結果は安定しませんので、慎重に判断しましょう。
■ 合格家庭の費用配分パターン
成功率が高い家庭の費用配分は以下の通りです。
▪ 年中:40〜70万円
(基礎作りを中心に)
▪ 年長:80〜120万円
(本番対策と志望校特化)
総額で120〜180万円が最も成果が出やすい費用帯となっています。
■ 注意したいポイント:費用がかさんでも成果が出ないケース
費用が膨らみがちな家庭に共通するのは次の3つです。
- 周囲に合わせて無計画に講習を取る
- 外部教室を追加しすぎる
- 志望校に合わせた対策を後回しにする
一方で、費用をうまく最適化できる家庭は、
- “やらないこと”を明確に決めている
- 本当に必要な講座だけを選んでいる
- 外部教室は短期集中特化で利用している
- 費用の使い道が合格に直結する部分に集中している
この違いが、最終的な合否を左右します。
■ 最後に:費用は「金額」より「使い方」が勝負の鍵
小学校受験は、
“いつ、どこに、どれだけ費用をかけたか”で結果が大きく変わります。
年中は習慣づくり、年長は勝負の仕上げ。
外部教室は弱点修正、直前講習は志望校対策。
この4つのポイントがズレなければ、費用が多くなくても十分に勝負できます。


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