小学校受験の費用は、
総額ではなく「どこに、どれだけ、いつ使うか」が合否を左右します。
私の経験から、
- 年間80万円で慶應・早実に合格した家庭
- 年間150万円以上かけても合格できなかった家庭を多く見てきました。
この違いは単に「お金の額」ではなく、
費用の使い方、つまり投資のタイミングと場所の違いにあります。
この記事では、費用の最適な配分方法を余計な説明を省き、わかりやすくお伝えします。
■ まず結論:塾費用は「逆算」で配分しないと失敗する
塾費用を考える際は、3つの要素に分けて考えると理解しやすくなります。
- 基礎(通塾・通常授業)
- 補強(外部教室)
- 仕上げ(直前講座・模試)
合格した家庭は、この3つの費用配分のバランスが最適化されています。
一方、不合格の家庭はこの3つのバランスが崩れていることが多いのです。
■ 年間80万円で合格する家庭は「補強と仕上げ」の費用投下が的確
80万円台で合格を勝ち取る家庭に共通するポイントは、
① 通塾は1つの塾に絞る
複数の塾に通うことは避け、迷いなく1本に集中します。これにより学習の軸がぶれません。
② 外部教室は必要な分だけ短期集中で補強
- 巧緻性が弱い場合は1〜2ヶ月の集中補強
- 体操が苦手なら基礎だけ3ヶ月程度
- 絵画が不得意なら必要な課題だけをピンポイントで受講
平均的な力がある子は、外部教室が不要なケースも多いです。
③ 直前講座は志望校別のものだけ受講
夏や秋の講習をすべて受ける必要はありません。
志望校に特化した講座と弱点補強に絞ることが重要です。
■ 無駄が一切ない費用配分
このシンプルさが合格の秘訣です。
■ 年間150万円かけても落ちる家庭の共通点は「周囲の流れに流されること」
高額な費用を使う家庭に多い傾向として、
① 追加講習をすべて受ける
安心感は得られますが、理解が追いつかず効果が薄れます。
② 外部教室を増やしすぎる
体操、絵画、制作、巧緻性など多方面に手を広げ、毎日がスケジュール過密になります。
③ 直前期の切り替えが遅い
大手のコースに盲目的に乗り、志望校対策が遅れてしまいます。
④ 家庭での復習が追いつかないのに授業だけ増やす
これが最も危険なパターンです。
小学校受験は、
授業時間の長さよりも復習量が成績を伸ばす鍵です。
消化しきれない授業は、むしろマイナスに働くこともあります。
■ 費用最適化の黄金比(合格家庭の典型例)
年間100〜130万円の家庭(最も成功率が高いゾーン)
感覚的にこの範囲が「ちょうど良い」と言えます。
- 通塾(大手+年長):70〜110万円
- 外部教室:10〜30万円
- 直前期講座:10〜20万円
- 模試:3〜6万円
共働きか専業主婦かで多少の調整はありますが、
このゾーンが最も費用対効果が高いと感じています。
■ 外部教室の費用最適化は「月3回以上通うなら過剰投資」の原則
外部教室の費用配分は、このルールを基準に考えましょう。
【原則】
外部教室に月3回以上通う場合、無駄が生じている可能性が高いです。
理由は以下の通りです。
- 外部教室は弱点補強のための特化型
- 弱点は短期集中で伸ばす方が効果的
- 長期的に通うと慣れで伸びが停滞しやすい
つまり、外部教室は通えば通うほど伸びる場所ではありません。
■ 伸びる家庭は「塾と家庭の役割分担」が明確
合格する家庭に共通しているのは、
- 塾は身につけるべき課題の提示と演習
- 家庭は復習の徹底と生活習慣の安定
この役割分担が崩れると、いくら費用をかけても成績は安定しません。
■ 直前期の費用配分が合否をほぼ決める
秋から直前期の9〜11月は最も重要な3ヶ月です。
この期間に正しい費用投下ができる家庭は強いと言えます。
具体的には、
① 志望校別講座(必須)
→ 各校の入試形式に完全に合わせた対策を行う
② 模試(最終確認)
→ 年間4〜6回のうち、1〜2回追加で受験する
③ 苦手分野の一点集中補強
→ 直前期は1つの弱点に絞る。複数の弱点を直すのは非現実的です。
直前期にあれもこれもと手を広げる家庭は、例外なく失速します。
■ 費用を最適化したい家庭が今すぐできる4つのステップ
シンプルですが効果的な方法です。
■ ステップ1:弱点を3つ書き出す
(ペーパー、行動観察、体操、制作など具体的に)
■ ステップ2:優先順位を1〜3までつける
(直せる順ではなく、合否に影響が大きい順に)
■ ステップ3:上位1つに外部教室と費用を集中させる
(その他は塾内の復習で補強する)
■ ステップ4:直前期は志望校型講座以外を切る
(不要な講座を切る勇気が合格を引き寄せます)
■ 結論:費用は「多くかけた家庭」ではなく
「必要な場所に正しくかけた家庭」が合格する
小学校受験は、単なる費用競争ではありません。
むしろ、
無駄をどれだけ削ぎ落とせるかが勝負の分かれ目です。
80万円でも合格できる家庭は、
例外なく費用の使い方が上手です。
一方、150万円以上かけても合格できない家庭は、
費用の使い方がブレていることが多いのです。
費用戦略は合格の土台そのもの。
ここをしっかり整えれば、最短ルートが見えてきます。


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