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小学校受験の工作・巧緻性テスト対策|鋏・折り紙・ビーズの練習法【2027年版】

小学校受験の工作・巧緻性テスト対策|鋏・折り紙・ビーズの練習法【2027年版】1

こんにちは。お受験ラボ編集長の私です。今回は、小学校受験で見落とされがちな「工作・巧緻性テスト」について詳しくお話しします。多くの親御さんはペーパーテスト対策に力を入れがちですが、実は工作の巧緻性で合否が左右されることも少なくありません。この記事では、巧緻性とは何か、どのように評価されるのか、そして具体的なトレーニング方法まで、わかりやすく解説します。

目次

はじめに:「巧緻性」は短期間で身につくものではありません

小学校受験対策で、工作や巧緻性テストを軽視してしまう方は多いです。しかし「ペーパーテストができれば工作はなんとかなるだろう」という考えは危険です。巧緻性は短期間で身につくものではなく、年中・年長の期間を通じて日々の積み重ねが必要なスキルです。

この記事では、巧緻性の意味から具体的な訓練方法まで、丁寧にご案内しますので、ぜひ参考にしてください。


巧緻性とは?手先の器用さを測る力

巧緻性の定義

巧緻性(こうちせい)とは、手や指先を器用に使う力のことを指します。小学校受験では、巧緻性を通じて以下の3つのポイントが評価されます。

①手先の器用さ

  • 鋏で正確に切れるか
  • 折り紙をきれいに折れるか
  • 紐を正確に結べるか

②指示への理解度

  • 口頭の説明を聞いて、その通りに作れるか
  • 複数の工程を正確に実行できるか

③丁寧さ・集中力

  • 細かい作業を丁寧に進められるか
  • 最後まで粘り強く取り組めるか

巧緻性テストの種類と学校別の出題傾向

【種目1】ハサミ切り

評価ポイント:

  • 正確さ(線の上を切れるか)
  • 安定性(ぐらつかずに切れるか)
  • スピード(制限時間内に終えられるか)

よくある出題例:

  • 直線や曲線を切る
  • 紙・布・厚紙など複数の素材を切る
  • 切り込みを入れるなど複雑な指示

学校別傾向:

  • 女子伝統校(東洋英和・聖心):ハサミ切りを重視
  • 男子校(立教):やや軽視
  • 国立小学校:基本的なハサミ切りが中心

【種目2】折り紙

評価ポイント:

  • 図形理解力(折ることで図形を理解できるか)
  • 正確さ(端をぴったり揃えられるか)
  • 創造性(折った後の表現力)

よくある出題例:

  • 基本的な折り方(チューリップ、鶴など)
  • 複数工程を組み合わせた複雑な作品
  • 折った後に切る・貼る・描くなどの複合課題

学校別傾向:

  • 早稲田実業初等部:複合課題を重視
  • 筑波大附属小:複雑な折り紙課題が多い
  • 成蹊小学校:折った後に装飾を加える課題

【種目3】ビーズ通し・紐通し

評価ポイント:

  • 手指の細かい動き
  • 集中力(単調な作業を続けられるか)
  • 速度(制限時間内に終えられるか)

よくある出題例:

  • ビーズを紐に通す
  • 指定の順番で複数色のビーズを通す
  • 通した後に結ぶ(片結び・蝶結び)

学校別傾向:

  • 多くの学校で基本科目として出題
  • 難関校でも確実な実施が求められる

【種目4】ちぎり

評価ポイント:

  • コントロール力(指定の大きさ・形でちぎれるか)
  • 細かい作業への集中力

よくある出題例:

  • 新聞紙を途中で切れないようにちぎる
  • 色画用紙を指定のサイズでちぎる
  • ちぎった材料を貼って作品に仕上げる

【種目5】紐結び・蝶結び

評価ポイント:

  • 生活スキル(日常生活で必要な技能)
  • 指の器用さ

よくある出題例:

  • 片結び(一重結び)
  • 蝶結び(靴ひもを結ぶ要領)
  • 複数の紐を結ぶスピード勝負

学校別傾向:

  • 女子伝統校:特に重視される生活スキル
  • 国立小学校:生活技能テストとして出題

【種目6】塗り絵

評価ポイント:

  • 色彩感覚
  • 集中力(枠線からはみ出さずに塗れるか)

よくある出題例:

  • 動物や風景の塗り絵
  • 色の指定がある場合と自由に塗る場合

【種目7】豆つかみ・お箸

評価ポイント:

  • お箸の正しい使い方
  • 細かい動き
  • 集中力

よくある出題例:

  • 豆をお箸でつかみ別の容器に移す
  • 制限時間内に何個移せるか

学校別傾向:

  • 国立小学校:生活技能テストとして重視
  • 女子伝統校:礼儀作法の一部として重視

自宅でできる巧緻性トレーニング30パターン

Aグループ:ハサミ切り対策(毎日実施がおすすめ)

  1. 直線切り:色画用紙に引いた黒線の上を切る練習
  2. 曲線切り:波線や円を切る練習
  3. 複数材料を切る:紙・布・厚紙など異なる素材で練習
  4. 細かい切り込み:くびれを作るなど複雑な指示に挑戦
  5. 速度練習:5分で10個切るタイムアタック
  6. 正確さ重視:ゆっくりでも線の上を100%切ることを目標に
  7. はさみの角度調整:刃の動かし方を意識して切る
  8. 小さなはさみで練習:試験で使うサイズに慣れる
  9. 両手の協調性:はさみを持つ手は動かさず、紙を回す練習
  10. ゴミの整理:切ったゴミを机の端にまとめる習慣をつける

Bグループ:折り紙対策(週3~4回の実施が理想)

  1. チューリップ:基本の3ステップ折り紙
  2. 紙飛行機:複数工程を組み合わせた折り方
  3. 鶴:代表的な複雑折り紙
  4. 兜(かぶと):複数工程を正確に進める練習
  5. 複合課題:折る→切る→貼るを組み合わせる
  6. 折った後に色を塗る:マーカーで顔を描くなど
  7. 同じものを複数作る:3つのタコを折ってタワーに積む
  8. 折った紙を丸める:タコの体を丸める作業
  9. 端をぴったり揃える:山折り・谷折りの精密さを意識
  10. 蛇腹折り:繰り返し折る技法の練習

Cグループ:紐通し・ビーズ対策(毎日実施が効果的)

  1. ビーズブレスレット作り:指定の順番で色ビーズを通す
  2. 複雑なパターン通し:赤2個、青1個、黄1個など指定通り
  3. 細い紐で練習:試験に近い細さの紐を使う
  4. スピード練習:1分間に10個通すタイムアタック
  5. 通した後に結ぶ:片結び・蝶結びまで完成させる
  6. 大きなビーズから小さなビーズへ:難易度を段階的に上げる
  7. 集中力トレーニング:30分間続けてビーズ通しを行う
  8. 色の認識:赤のビーズだけを探して通す分類作業
  9. 両手の協調性:片手でビーズを支え、片手で紐を通す
  10. 制限時間内での完成:5分で仕上げるプレッシャー練習

Dグループ:その他の巧緻性対策

紐結び:

  • 毎日片結び・蝶結びを5回練習する
  • 親子で風呂敷を結ぶなど日常生活での練習
  • 靴ひもを自分で結ぶ習慣をつける

ちぎり:

  • 新聞紙を途中で切れないようにちぎる練習
  • 色画用紙を指定サイズでちぎる練習
  • ちぎった材料をのりで貼ってモザイク画を作る

塗り絵:

  • 週1回、枠線からはみ出さずに塗る練習
  • 色指定と自由塗りの両方を行う

お箸・豆つかみ:

  • 食事の際に毎日お箸の正しい使い方を習慣化
  • 豆つかみゲームで豆を別容器に移す練習

よくある失敗例とその改善策

❌ 失敗1:「工作を『楽しい遊び』ではなく『練習』として押し付ける」

多くの親御さんは受験対策として、無理に工作をさせてしまいがちです。その結果、子どもが工作を嫌いになってしまうこともあります。

✅ 改善策:

  • 親子で一緒に作る楽しさを最優先にする
  • 完成度よりも過程を楽しむことを大切にする
  • 週に1回は親子で工作タイムを設ける

❌ 失敗2:「短期間で巧緻性が身につくと思い込む」

年長の秋から急に工作対策を始める方もいますが、巧緻性は年中の段階から積み重ねることが重要です。

✅ 改善策:

  • 年中の時点から毎日軽い工作を習慣化する
  • 毎日15分の継続が、直前の急ごしらえより効果的

❌ 失敗3:「完成度を重視しすぎて子どもを叱る」

「もっときれいに切って」「曲がってるよ」と叱ると、子どもの自信を損ないます。

✅ 改善策:

  • きれいさより正確さを重視する
  • 完成度よりも丁寧に取り組む姿勢を褒める

❌ 失敗4:「得意な課題を練習しなくなる」

ハサミ切りが得意だからと練習をやめるのは危険です。得意な課題こそ定期的に復習し、自信を維持しましょう。

✅ 改善策:

  • 得意な課題も週1回は復習する習慣をつける
  • 複数の課題をローテーションで練習する

学校別に見る巧緻性テストの重要度

学校重要度特に重視する課目対策の優先順位慶應義塾幼稚舎⭐⭐基本的な巧緻性中程度早稲田実業初等部⭐⭐⭐複合課題(折る→切る→貼る)高い東洋英和女学院⭐⭐⭐⭐ハサミ切り、紐結び非常に高い聖心女学院小学部⭐⭐⭐折り紙、紐結び高い筑波大附属小学校⭐⭐⭐⭐複雑な工作課題非常に高い立教小学校⭐⭐基本的な工作中程度学習院初等科⭐⭐基本的な巧緻性中程度

親が見落としがちなポイント

ポイント1:道具選びの重要性

試験本番で使うはさみは、普段使っているものとサイズが異なることがあります。複数サイズのはさみで練習しておくことが大切です。


ポイント2:利き手の確認

子どもの利き手を年中のうちに確認しておきましょう。試験直前に「実は左利きだった」となると対策が遅れます。


ポイント3:姿勢も評価対象

工作の試験では、子どもの姿勢も見られています。机にまっすぐ座り、落ち着いて作業に取り組めているかがポイントです。


ポイント4:待ち時間の態度

複数人で課題を行う際、自分の番まで静かに待てるかも評価されます。


巧緻性テスト対策のタイムライン

年中期

  • 週2~3回、15分程度の簡単な工作を楽しむ
  • 遊び感覚で工作に親しむことが大切

年長期(秋まで)

  • 毎日15~20分の工作練習を継続する
  • ハサミ切りや折り紙など基本技能を習得する
  • 複合課題に備えた準備を進める

年長期(秋から冬)

  • 毎日20~30分の集中的な練習を行う
  • 志望校の過去問を活用した特化対策を実施
  • 制限時間内で完成させる練習を意識する

まとめ:「巧緻性」は日々の積み重ねで育つ力です

小学校受験の工作・巧緻性テストは、短期間で身につくものではありません。年中の段階から毎日の軽い工作を習慣にすることで、自然と手先の器用さが育まれます。

大切なのは完成度ではなく、丁寧に最後まで粘り強く取り組む姿勢です。親が子どもを褒め、励ましながら、親子で工作を楽しむことが合格への近道になるでしょう。

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この記事を書いた人

お受験ラボ編集部です。
私たちは、首都圏の私立小学校受験を中心に、ご家庭の不安や疑問に寄り添いながら情報を届ける教育ライターチームです。

一部の記事には、幼児教育の現場経験が豊富な先生方の監修が入っていますが、
学校や試験内容は毎年大きく変化するため、すべての記事が常に最新の情報であるとは限りません。
その点だけ、あらかじめご理解いただければ幸いです。

最新動向の反映には努めつつ、
「今、保護者が本当に知りたいこと」を軸に、正確で実践的な情報の発信を続けています。

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